俺は彼女の遺言をきくべきなのか? 彼女の遺言、それは・・・
とんちゃん
紋次郎本家移住、当主編
第1話 出会い
俺の名前は
俺自身も事故の怪我が酷くて、長い入院生活を余儀なくされた。
退院してからは叔父に引き取られるが、事故の保険金が出ると上手くかすめ取られ、中学を卒業すると同時に叔父の家を追い出された。今現在はブラックな
しかも、孤独死をした人の部屋や夜逃げをしたり片付けられない人の部屋など、訳あり物件の清掃がメイン。
これがキツい、特に夏場は目に
ウチのバカ社長は
それを、社会から落ちこぼれた俺達数人の従業員に、安い給料で作業させている。
そして自分は接待と称して、ゴルフに行ったり飲みに行ったりしている。
正直【死ねッ】と思う。
今回の現場も酷い所だった。
中国地方の山奥にある旧家の解体現場で、
解体だからといって、すぐに解体する訳では無い。
昔の家は柱や
リサイクルと言えば聞こえは
そんな旧家を不動産屋の息の掛かる解体屋や俺たち
何だろうと思いつつ俺は下見をしていたが、お昼休みに解体屋の現場監督に聞いてみた。
しかし、現場監督にも分からないと言われ【おまえが調べて来い】と命令されて、興味本位で調べ始めた。
近付いてまわりを一周すると、その建物は一辺が五メートル位の
良く言えば小さなピラミッドに見えなくもない。
しかし、ピラミッド
中には入れないのだと諦めて戻ろうとするが、少し離れた藪の中に別の何かを見つけて近づくと、人が入れる縦穴を見つけた。
穴には
まるで、あずま屋だ。
そして柱の一カ所に【入り口チュ】っと、唇マークも書いていて少しイラッとする。
それでも、入り口を見つけた事で財宝を見つけた気分になり、懐中電灯を片手に
「やった! お宝だぜ!」
俺は思わず口に出し階段を上がろうとして、頭をぶつけないよう下を見た瞬間気が付いた。階段の下にある
俺は事故の後遺症から自分の直感を大切にしている。
その場にしゃがみ色の違う
その新聞紙をめくると竹ひごが格子状にあり、その下は落とし穴になっている。
「ふふふ、ピラミッドに入らせないように罠か。いいぞ、燃える、ヤル気が出たぜ」
この時バカな俺は【罠を作り守ろうとする
気を付けながら階段に足を掛けると、三段目で何か違和感を覚えた。
すると上から
だが、安全の為にヘルメットをかぶっていたので俺は無事だった。
落とし穴に上から障害物・・・俺はスケールの小さいインディアナジョーンズ博士になった気になり
二度あることは三度ある。周りをよく見て階段を上がると、ついにピラミッドらしき建物の中に入る事が出来た。
当然なのだが中は暗くて狭い。
立ち上がると頭がぶつかりそうで、中腰のまま懐中電灯で辺りを照らし確認をするが、財宝らしきお宝は
ピラミッドではないが、王家の谷にあるツタンカーメンの王墓のように黄金の埋葬品が発見できると期待した俺は、ガックリと肩を落とす。
でも、まだ諦めてない。ただひとつ、狭いスペースの一番奥に長細い箱が見える。
どう見ても棺桶にしか見えないが、まだ棺桶と決まった訳では無い。
もしかすると、あの中にお宝が有るかも知れない。
恐怖心を
日本の99,9%の人は
だがご丁寧に英語訳と日本語訳がその下に書いてある。
俺はつい【ロゼッタ・ストーンか!】っと、
すると、どこかでクスリと笑う声が聞こえた気がした。
「気のせいか? こんな所に誰もいる
当たり前だが、俺は日本語訳を読み始める。象形文字と同じく英語も読めない。
何かゴチャゴチャと書いてあるが【この
別に呪いの
しかし、中を見ずに戻ろうとする弱い気持ちを、俺の欲深い好奇心が許さない。
無意識に
中には当然のように、全身に包帯を巻いたミイラが横たわり、黄金のマスク・・・ではなく、
そのアンバランスな光景に、俺の
もつれる足でまともに歩く事も出来ず、四つん這いのまま逃げるように外に出て現場監督に今見た事を告げると、馬鹿にされた。
それでも、俺の異常な怖がり方とミイラを見たの一言で、現場監督は確認に行き青ざめた顔をして戻って来ると、
しばらくすると警察と坊主がやって来て、警官に事情説明をした
寺の本堂らしき場所で、お経を読まれてお
霊感の無い俺は気のせいと無視していたが、肩を叩かれた上に話し掛けられたので、つい【
その
泥棒に入られても盗られる物が何も無い、狭いくせに広く感じる殺風景な部屋。
これが今住んでいる俺のワンルームマンションだ。
弁当を食べ終わりシャワーを浴びた
あのピラミッドは
翌日は昼頃に目を覚ますと、
バカ社長に【連絡が遅い、何をしている!】などと文句を言われたが【じゃあ辞めます】と、イライラしながら言い返すと【お大事に】って、手の平を返されて休む事を許された。
それからまた寝転び、天井の一点を見つめて考える。
あのミイラは殺人死体ではないのか? 事件性はないのか? 色々考えてるうちに夕方電話があった。
電話の相手は警察だった。
司法解剖の結果、死因は心臓マヒで殺人事件では無いとの事で、遺体は昨日のお寺が引き取り
しかし、俺は知っている。
警察の言う心臓マヒは、死因が不明な時によく使う
結局、田舎の警察では何もわからず、
そんな自身の考えをベッドに寝転び天井を見ながら
今日は一日何もしてないが、
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