勇者召喚のおまけの俺が嫁?しかも

ハナミ

第1話ゴミ捨て場?へGO

突然目の前を歩いていた、イケメンの少し垂れ目のでかいお兄さんが光の渦に包まれる何故か背中がゾワッとしたので後ろを振り返ると、紫の闇がこちらに迫ってくる。

無意識にお兄さんの腕を掴んでいた。

そのまま、意識が遠くなる。


あまりの激痛に目を覚ますと、悲鳴に似た声と、侮蔑を孕んだ視線と、殺気を感じる。

ゾッとして、身体を触ろうとして体に鉄らしき鎖がぐるぐる巻にされているのに、気がつく。

「ハッ?グヘッ」

呟いたと同時に、口の中に鉄の味が広がる。

訳が分からない。

目も硬い布でグルグル巻にされて、あー詰んだなってぼんやりと考える。

これは、これでありかも。

親からも疎まれて、アルバイトしたお金も全て奪われ、親がいない隙に分からない程度のご飯等を食べて生きてきた。砂糖と塩は必ずとっていた。結局誰からも必要とされない人生だったな。

涙もでない。

頭上で、威圧感のある声が響く。

「街の外に捨ててこい、汚らしい。

厄災が」

「王様せめて命だけは、奪わないでやってください。同じ国の者なんです」

あー巻き込まれたお兄さんだ。声までイケボ

性格もいいな。って事は餓死かな?

「勇者様はお優しい。では、バラハの森に連れて行きましょう。自然豊か、魔族にはピッタリな場所です」

ふーん、動物のご飯コースか。

何とも思わない。

誰からも愛されたことがない。

1度位は抱きしめられたかったな。

夢は夢に終わる

もしかしたら、死ぬ前にモフる事ができるかも。ずっと行きたかったふれ合いランド

どこにいても、要らないものなら温かみを知りたい。死ぬことよりもそっちの方が楽しみになってきた。

引きづられて連れて行かれると、思ったら何かの馬的なものに、乗せられている。

体温って暖かいんだなって。

泣けて来る。最後に神様からこんな、プレゼントもらって感謝しかない。

もう思い残す事はない。

17年の命だったけど、最後に馬さんてきなものに癒された。

しばらく馬さんてきなものに運ばれて、無言でドザッと地面に叩きつけられる。

頭が、体が痛い。

そのまま意識が遠くなる。

バイバイ、自分。



次に目を覚ました時にはフカフカ、モフモフ?に囲まれている。

?????

へっ?

とりあえず顔を埋める。

痛かったはずの体は痛くなくて、逆に疲れが取れて、モフモフ♡

「触っていい」

自分でもびっくりするくらい大きな声が出た。バフ銀色の赤い瞳をした大きな犬いや狼みたいなものに、飛びつかれる。

暖かいんだ。

柔らかい毛並みに涙が止まらない

可愛い、可愛い

生きていて良かった。

「可愛いね、お目目が焔のようで綺麗だね」

うっとりとする。

大きな寝台

8人は寝れる。

ふわぁ暖かくて、可愛くて、気持ちよくて眠たい。


「魔王、彼で間違いないんですか?確かに小さくて可愛いらしいですが。いつまでハウングルの真似をしてるんです。元に戻って下さい」

神経質そうな、真っ赤な髪をした一見見ると冷たそうな表情をした、頭上には角を2本生やした青年は、主を見つめる。

目元には微かに笑顔が見える。

ハウングルのものまねをした魔王と呼ばれた人物は、一の傷を舐めて癒していく。

顔を背中、前に向きが変わった所でピンクの髪のゴリマッチョな美形が飲み物を運んでいたトレイで魔王の下心しかない顔と一の上半身にピタリと、トレイを置く。

「盛る前に、愛の言葉が必要だとワシはおもいますぞ」

びっくりする2人

「お前が筋肉以外にマトモな事を言った」

魔王もといハウングルは、一をそっと抱きしめた。首元から漂ってくる抗えない香り。

銀糸の髪に顔を埋めて、魔王はニヤリと笑う

「一がされたのと同じことを向こうの王にやれ、倅がいるから大して困らんだろう。

この夜空を映すような濃紺の瞳と、伴侶の証である月の光の瞳をえぐり取ろうとした、奴を同じ目に」

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