CYBORG

龍川嵐

第1話 幸せは一瞬

僕は何の取り柄もない。


成績も最下位、運動能力も最低。


生徒にバカされる日々が続く。


辛くて時々学校に行きたくないと思う日もあった。


しかし、僕の心を支えてくれたのは母さんだ。


毎日家に帰るたびにリュックや制服が汚れていた。虐められたことを告げたくないけど、母さんは無理に問い詰めないようにしていた。


何も言わずに抱いてくれた。


そして、自分の好きな食べ物を作ってくれた。


母さんの愛情を感じられて、学校での嫌なことを忘れた。


母さんのおかげで、行きたくない気持ちを解消して学校に行けた。


母さんと離れたくない。


ずっとそばにいたい。


母さんのこと大好き。


しかし、この幸せな時間を一瞬に壊された。


学校から家に帰ったが、母さんの靴がなかった。


買い物でも行ったかなと思った。


靴を外して、リビングに行ってみたら、床の上にガラスコップが割れていた。


椅子も倒れていた。


もしかしたら…誰が僕の家に侵入していた?


普段の背景は、母さんはキッチンに料理をしていた。


本は本棚に規律に並んでいる。


引き出しは閉めていた。


それなのに…今のキッチンは母さんがいない。


本は開いたまま床の上に散らかしている


引き出しは開けた状態のままで、大切な書類が散らかしている。


ガクガクと足が震えながら動かした。


キッチンの前に付いているテーブルの上に熊のぬいぐるみを手にした。


熊のぬいぐるみの頭を外して、首の中に小型のカメラが入っていた。


大好きな母さんに何の危害を与えてないか監視する。


愛する自分のノートパソコンに接続して、動画を再生させてみた。


カメラに映しているのは…男?


黒いスーツを着ている。


最初はお客様として迎えられた。


母さんはガラスコップに麦茶を注いで、見知らぬ人にあげた。


縁に口を当てて、一口飲んだ


軽く雑談して、お互いは笑い合っていた


30分後、見知らぬ人が椅子から立って、母親に近づいた。


この人は怪しいなと思いながら見続けた。


「綺麗だね」


「あそう、ありがとう」


「素晴らしい身体を使わないのはもったいないわ」


なんだこの男め、ナンパしているじゃないか。


血を滲むように強く握った。


クソナンパ男が母さんの手首を掴んだ。


母さんは抵抗しようと暴れていたが、クソナンパ男が母さんの頬を叩いた。


「静かにしろ!」


母さんの両手を背中に移動して、縄で縛った


そして、目に目隠しをした。


最後、口にガムテープを貼ったら、母さんを持ってこのリビングルームから出た。


ここで終わった。


肩を震わせて、壁に殴った。


壁に凹みができ、手の甲に血が出た。


すぐにリビングルームから出て、玄関を出て、母さんを探し始めた。


何度も見たことのあるニュースに誘拐事件は死体を発見したのは山奥だった。


このことを思い出して、山のある方に向かって走った。


雲行きが怪しくなり、雨が降り始めた。


最初は大丈夫だと思いきや、徐々に雨が強くなった。


バケツをひっくり返したように大きい雨粒が降ってくる。


この雨粒に当てられて、めちゃ痛い。


けど、この痛みより母さんの誘拐の方が痛みが強い。


雨を無視して、母さんを見つけるまで走り続けた。


2時間後、ようやく母さんを見つけた…。


母さんは倒れていて、息はしていなかった。


あちこちの体に青紫色のアザができていた。


幽霊でも見たような容態だ


僕は膝を地面に付け、母親の背中の下に腕を入れて、持ち上げた。


左の手を握りながら抱きしめたい。


(なぜ母さんを暴力しなければいけないの?)


(魅力のある体型だからなの?)


様々な疑問を浮かんで、自分の気持ちがぐちゃぐちゃになった。


雨の水なのか、涙なのか、見分けられない液体が瞳から流れた。


「ああああああああ!!!」


血の涙を流し、狼のように呻きを叫んだ


愛する母親を誘拐・暴力した人を殺してやる…


誘拐・暴力した人への復讐心が自分の優しさを侵蝕する…

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