第19話 『帰ろう』
アベルの一撃により、ゴーレムは粉々に砕け散る。
バラバラになったゴーレムは宝石になる。私はそれをすかさず拾い集めた。
手から溢れるほどの宝石の数々。これを全て売ればお城だって買えるだろう。
私がウキウキしていると、アベルが近づいてくる。
「師匠、本当にありがとうございました」
アベルはそう言って頭を深く下げる。
やはりこの子はいい子すぎる気がする。
「当然のことをしただけよ。さぁ、まだまだ修行はあるよ。早く帰って次の修行よ!」
「はい!!」
アベルは元気よく返事をする。
こうして私たちはダンジョンから出た。
当然ダンジョンから出る時はアベルの背中で死ぬような思いをした。
家に帰り着くと、心地良い安心感。スラミーちゃんが迎えてくれる。
しかし、一つ不思議な点がある。それはあのゴーレムの存在だ。
あの時は突然の出来事で気にしていなかったが、魔王のいない現在はモンスターは存在するのが難しい。
そのスラミーちゃんも私の力で形を保っているだけだ。
ならば、あのゴーレムも誰かの力で動いていたのだろうか。
だとすると、四天王クラスの人物があのダンジョンにいたことになる。
だが、そのような気配は感じ取ることができなかった。わたし以上の存在か、または…………。
でも、今はそんなことはどうでも良いだろう。
「師匠!! ご飯ができましたよ!!」
今はこの私の弟子を魔王に育てるだけだ。
【後書き】
最終回が近づく?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます