第4話 送り火

「送り火」


嫌なことがあった

苦しいこともあった

寂しいことも悲しいこともあった

それでも生きていた


嬉しいことがあった

楽しいこともあった

夢や希望を抱いて

懸命に生きてきた


家族がいた

父の笑顔があり母の優しさがあった

祖母の暖かさに触れ

祖父のたくましさに憧れた


人々は先祖を思い

自分の存在に感謝する

来年もきっと夏が来て

懐かしい出会いがあるだろう


見よ 夏の夜に

人々は集い歌い

酒を酌み交わす

そこに懐かしい時間がある


明日になれば

すべてが去って行くだろう

すべてが消え去って

夏が終わっていくだろう






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