偶然街で絡まれていた美少女を助けたら彼女になりました。
偶然街で絡まれていた美少女を助けたら彼女になりました。
作者 暁優成
https://kakuyomu.jp/works/16816452220348067215
ラノベに憧れる神崎陽葵はナンパされていた風早淳之を助けると、彼女と付き合いこととなり、転校だけでなく一緒に暮らすことになる。おまけに幼馴染の柊楓まで押しかけてきて、二人に言い寄られてしまう物語。
内容がわかりやすい長いタイトルである。
タイトルのままの内容が書かれているのか。彼女になったあとどうなったのかが、書かれているのだろうか。それは読んでみなければわからない。
主人公の性格が面白いので、楽しめると思う。
文章の書き方について目をつむる。
主人公、風早淳之の一人称「俺」で、自分の本音をぶちまけるモノローグな文体。彼の性格がおもしろくしている。
物語は、ナンパされて困っていた少女を助けたら彼女になって家に学校へと押しかけ二人ひとつ屋根の下に、となったところで幼馴染が現れてハーレム展開にというラノベテンプレだ。
自分には「青春なんてあるわけがない」と思っている主人公の風早淳之はイケメンではなく、コミュ力もそれほど高くもなく、ラノベ展開に憧れながらも、ラノベでありがちな設定にツッコミを入れられるくらいの常識と理性は持ち合わせている。
彼のいう青春とは、「ラノベでよくある女の子と道でぶつかってそこから始まる恋」のことらしい。
アメリカの詩人、サミュエル・ウルマンの書いた「青春」という長い詩がある。その詩にヒントを得て、松下電器(現パナソニック株式会社)を創設した松下幸之助が七十歳のときに作った座右の銘が、「青春とは心の若さである。 希望と信念にあふれ勇気に満ちて、 日に新たな活動を続ける限り 青春は永遠にその人のものである」だ。
とはいえ、一般的にはやはり、夢や希望に満ち活力のみなぎる若い時代を、人生の春にたとえたものである。
青春とは、溢れる若さをもって一人立ちしてゆく旅立ちの時期。
劣等感にさいなまれ、いじめや孤独などの悩みを乗り越え、学び,生きる意味を模索するために読書をしたり友人と語らい、スポーツや恋愛など出会いが生きる糧となっていく。
ラノベ展開はともかく、彼は青春イベント的なことが向こうからやってくるのを待っているのだ。
そしたら、機会に恵まれる。
「日和ってスルーしようとしたけど、たまには現実でラブコメ展開増やさないと面白くねーし、助けることにした」
この選択が、今後の彼の運命を決定づけたのだ。
なにもしなければ、青春の時期なんてあっという間に過ぎ去って終わるのだから、行動することで結果を得られることを彼が教えてくれている。
なぜ彼が一人暮らしをしているのか。
なぜ彼女が「めっちゃ可愛い」美少女なのか。
なぜ主人公の家を見つけ出して押しかけ、ひとつ屋根の下で暮らすことになるのか。
なぜ、同じ学校に転校し、同じクラスで、席が隣になるのか。
なぜ幼馴染が家に現れ、一緒に暮らすことになるのか。
二人の美少女に言い寄られるハーレム展開になるのか。
それはすべて、ラノベテンプレだから。
ラノベのような青春を望みながら、「『僕は普通の高校生だ』から始まり美少女と、付き合うやつを見るが、俺から言わせてもらうと、どこが普通なのかを聞きたい。普通の奴がリア充になるわけないだろうが! それに美少女って何だ? 現実で言う、アイドル的存在というわけなら、そいつは芸能界に入っていくから、現実ではいないと思う」そんなことあるわけないといっていた彼が、まさに否定していたラノベ主人公の当事者になってしまうのだ。
この展開もまた、ラノベテンプレなのかもしれない。
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