あったかい
今、私は、有加里ちゃんとハグをしている。
あったかくて、おちつく
でも、なんでこんなことになったんだっけ
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多分有加里ちゃんから返信が来たのでLINEを開いて有加里ちゃんとのトーク画面を見る
『面白い話題はないですけど、私今日両親いないんで遊びに行ってもいいですか』
『私も暇でやることないですし』
え、、え。家に来る?
てか今、普通に夜なんですけど
『家に来るのはいいんだけど、夜だし迎えに行くよー』
『先輩は美人なんですからこんな夜に出歩かないでください』
いや君もかわいいし。美人じゃねぇし。何言ってんだこの子
『とりあえず先輩の家に向かうので着いたら連絡します』
『わかった』
なんか、返信きたらいいなーって感じでLINE送ったけど、家に来ることになるとは
部屋、片付けとこうかな…
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「ピロンッ」
「わっ」
っと、いきなり通知がなってびっくりしたわ
有加里ちゃんかなたぶん
『着きました』
玄関開けなきゃ
「ガチャ」
「こんばんはー」
「こ、んばんは」
「なんでちょっとカタコトなんですか」
「い、いや別に」
なんか私緊張してるわ
夜に誰かが家くんの初めてだからかな
正直に言うと、有加里ちゃんの格好はラフな感じでいつもとは違う雰囲気でかわいかった。ぶっちゃけすき
リビングまで行くと有加里ちゃんが鞄を置いた
「今日は何食べたんですか?」
「朝にラーメン食べてからはなにも。」
「え、朝からラーメン食べたんですか?重くないですかそれ」
「えー、んー……重かったかと聞かれれば、重かったような」
「やっぱり」
朝から不健康になっちゃいますよーと有加里ちゃんが言う
「まだご飯食べてないならなにか作りましょうかー?」
「やー、夜遅いし作るのめんどくさいでしょ」
「別に大丈夫ですよ、暇で来てるんで」
「あーじゃあお願い、する」
なんか、1人だったさっきより落ち着く気がする
落ち着くとかそういうの久しぶりすぎて感覚おかしくなりそう
いや別にいっつもそわそわして過ごしてる訳じゃないけど
「作るの、ほんとに簡単なやつでいいからね」
「わかりました」
とりあえず、私は料理を見ていても邪魔をするだけだと思ったのでソファーに座る
トントンとまな板で何かを切る音が聞こえる
ソファーに少し寝転び天井を見上げる
無駄に白くて高い天井
目を閉じて、少し考える
もし私がこの天井だったら、今の私はどんなふうに見えてるのか
寂しそうなのか、楽しそうなのか、緊張していそうなのか
別にこんなことを考える意味は無いけれど、なにか考えていないと、料理を作っている音が聞こえて有加里ちゃんのことを考えてしまう
無駄に意識しすぎなんだよなほんと私
有加里ちゃんと会えなーいとか、有加里ちゃんのご飯食べられなーいみたいな、そういうの
たしかに有加里ちゃんのことはすきだけれども
そういうんじゃないと思うんだよね
……ご飯作ってくれたりするから母性でも感じてんのかも
後輩に母性感じるとか、笑えるけど
なんかちょっと眠いかも
有加里ちゃんがご飯作ってくれてるのに申し訳ないけど、ちょっとだけ仮眠…
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ここがどこか分からない
でも、少し先にお父さんがいるのは分かる
私に手を差し出してくれている
私はそれを掴もうとするけど、走っても走っても追いつけない
「お父さん!まって!!」
だんだん足が動かなくなってくる。
足が重たくて何度も転けそうになる
もう走れないと思い、私は最後の力を振り絞りお父さんの腕を掴もうとする
「つかめた、やった!!お父さん!!」
そう言ってお父さんの顔を見ようとした瞬間、体に重たいものがどんっと来て、目が覚めた
「いっ…た…」
痛い?誰の声?
お父さん、じゃ、ないな。こんなに高くない。と思う。たぶん。
「ちょっ…と...先輩、なんで引っ張るんですか」
左耳から声が聞こえてきて、体に乗っていた重さがだんだん無くなる
先輩って私?
ぼやけてあまり見えなかった輪郭が鮮明になってくる
「…えっ、有加里ちゃんっ!?」
有加里ちゃんが私の上に倒れるように覆いかぶさっていた
「な、なななんで私の上に!?」
「なんでって先輩が引っ張ったんじゃないですか」
「え、ちょっ、ちょっとまってね」
ちょっと考えよう。えと、まずちょっと仮眠してて、夢にお父さんが出てきて、手掴んで、ひっぱった!
ん?引っ張った?
はっ!?有加里ちゃんの手を引っ張ったのか!?
「ご、ごめんなさいいい!!!!」
「ほんとにびっくりしたんですからね?」
「はい!すみません!!!!」
私は目を瞑り顔の前で手を合わせた
そうするとふふっと声が聞こえて
「……許してあげます」
あの、ちょっと、あの、、
「あ、有加里ちゃん」
「?」
「ち、、かい、です」
私と有加里ちゃんの顔の距離は5センチ以上くらいはあると思うけど、それでも、ちかい。
「あ、すみません…!すぐ離れます」
有加里ちゃんは顔を少し赤くして言った
有加里ちゃんの体がだんだん離れていく
なんて言うか、なんか、
「有加里ちゃん、ハグ、していい…?」
有加里ちゃんの服の袖を掴んでそう言った
え、、なんて言ったわたし
ハグシテイイ???ん?有加里ちゃんに?
?!?!???!
「ま、まま待って!!やっぱなし!いまのなし!!!」
「...え、と、私でよければ...?」
「え?!?」
「え?」
「こんなキモい先輩と!??」
「別にキモくないと思いますけど...」
「いやそんなことないでしょ!!」
「いやいや……」
こんな会話を数回繰り返したあと有加里ちゃんは言った
「とりあえずします?」
「え、ななななにを」
「ハグを」
「ほんとにいいの?」
「いいですよ」
「えー、と、、じゃあ...」
わたしはソファーにしっかり座り直した。
こんな不思議なシュチュエーションだからか友達とハグするよりも緊張する
「し、失礼します」
ぎゅっ
そうすると有加里ちゃんも手を回し軽くハグをしてくれた
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そして、冒頭にもどる。
なんだこれ
いや、あったかいし、安心するし、落ち着く。
でも!先輩である私が後輩になんか、、慰められてる(?)みたいなそんなシチュおかしくない!?まず慰められるようなこととかしてないんだけどね
...まあでも、わるくはない、かな。うん。
「……先輩、これ、いつまでするんですか?」
「!ごめん、もうはなれよっか」
「...」
有加里ちゃんから離れようと腕を離すけど、有加里ちゃんの腕が離れてくれない
「…あの、もうちょっとだけ、なんで、このままでいたい、です」
「っ、うん」
私の耳はおかしくなったのか。いや言葉の意味はわかった。だけど、有加里ちゃんの声が少し、ほんの少しだけ甘えたような声に聞こえた気がする
...雰囲気がそう思わせてるだけだ
そう自分に言い聞かせる
じゃないと、大切な後輩の女の子に、有加里ちゃんに、顔が熱くなるほど、ドキドキしてしていることの理由にならない。
無自覚グイグイ主人公のラブコメ りね @kuronana_pinku
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