手、つなご?

「2人とも今日は楽しかったよー!また一緒に食べようね」

「食べたいですー!」

「ぜひ!」

「うん!じゃあまたね」


ぺこっと挨拶をして夏羽先輩とは別れた


それからはうとうとしながら授業受けてぱぱーっと1年の楽器体験をしてすぐに部活終了の時間になった

てか昨日寝る時気づいたんだけど有加里ちゃんとLINE交換してなかったからしたいんだよね

音楽室で有加里ちゃん来るまで待ってよっかな


「ひなのー今日一緒に帰るー?」

「あーごめん、ちょっと有加里ちゃんと話したいことあるから帰れんわー」

「ふーん」


ニヤニヤしながら心が私の顔を見てくる


「なに?」

「いやーべつにー。そんなに有加里ちゃんと仲良くなりたいんだーって」

「いやほんとにちょっと話すだけだし」

「ま、お幸せにー」


何言ってんだあいつ




「あ、有加里ちゃーん!」

「ひなの先輩…!」

「私さ有加里ちゃんとLINE交換してなかったなって思って、交換したいんだけどいいかな?」

「私も交換したいって思ってました!」

「ほんとー?!じゃあコードだすね」


LINEのコードを出すと有加里ちゃんが読み取ってくれて追加することが出来た


「よろしくにゃ!」と言っている猫のスタンプを試しに送ってみる

有加里ちゃんはふふっと笑うと

「よろしくわん!」という犬のスタンプで返してくれた。

かわいい


「先輩、良かったら今日一緒に帰りませんか」

「うん!いいよー」

「ありがとうございます!」


私と帰っても楽しくは無いと思うんだけど、嬉しそうだし、かわいいからいっか。


音楽室を出て廊下を有加里ちゃんと歩く

てか、後輩とこうやって2人で帰ろうってなるのなにげに初めてだな



学校の校門を超えてしばらく歩くと私たちの前に男女で手を繋いでいる人達が歩いてきた


「あの人たちってカップルなんですかね」

「手繋いでるしそうなんじゃないー?」

「そうですよねー」


「私たちも手、つないでみます?」

「……え?」


少し微笑みながら思考が停止した私の顔を見てくる有加里ちゃん


「冗談ですよー」


子供が初めてお母さんへのイタズラに成功した時のような笑顔で言ってくる

びっくりした…冗談か…でもなんか後輩にからかわれるのはどうなんだ?んーなにしてやろーか…



いいことを思いついた

前を歩いていた有加里ちゃんに少し走って近づき、手をつかんだ


そして、


「手、やっぱりつなご?」

「っえ、」


ふふふー驚いてる驚いてる


「え、えと」

「私と手つなぐのいや?」

「嫌じゃないです!…でもちょっと恥ずかしい、」

「照れてんのー?かわいーね」


ニヤニヤしながら言うと


「せ、先輩の方が美人でかわいいですよ…!」

「お世辞でしょ〜?」

「…お世辞じゃ無いです…!」

「っえ」


さっきまでは私の手を軽く握っていただけなのに、心なしか握る力が強くなった気がする



お互いの目を数秒間無言で見つめ合う時間が続いて私は恥ずかしくて目を逸らした


「はい!先に目を逸らした先輩の負けです!」

「え!?これ勝ち負けあったの?!」

「もちろんです!」


ふんっ!と言いそうなほどのドヤ顔をかましてるけど、私が手を握った時からずっと顔が赤い




「え…っと、とりあえず、もうちょいで私の家だし、手はなす?」

「っあ、は、はなします…」

「じ、じゃあまたね」

「は、はい」


なんか気まずい空気になってしまった

あとでLINEで謝っとこう、、、

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