話したかったから
「んーーーーっと」
伸びをして時計を確認
5時45分
うん、いつも通りの時間
顔を洗って制服に着替えて髪を整える
「よし、完璧」
鏡の前で笑顔を作ってみたりする
この前友達に顔が怖いって言われたからね
ついでに変顔の練習も
そんなことをしてたら6時30分になっていた
昨日の残りの肉じゃがを朝ごはんにしようかな
肉じゃがを冷凍庫から取り出してオーブンで温め直す
「うーん!やっぱりおいしい」
お気に入りのコンビニ弁当より美味しい!
朝から元気出るなこれは
「あ、もうこんな時間」
時計は7時15分をさしている
余裕を持って家を出ないとね
「いってきまーす」
誰もいなくて、無駄に広い部屋に向かって言った
お父さんは大体私が居ない時に帰ってくるし、勝手にお金と食材だけ置いて帰る
残っていた食材はいつの間にか無くなっていて、その食材たちはどうしてるんだろ
昔は寂しいとか思ってたりもしただろうけど、
1人で寂しいなんて最近はもう思わない。
——————————————————————
「おはよう」
「おはよーございまーす」
通りすがりの先生に挨拶を返す
「ひなの!おっはよー!」
「おわっ…て心か」
肩にすごい勢いでのしかかってくるから変な声出た
心はちんちくりんで鬱陶しいけどおもしろいし優しいから結構すきなんよね
「聞いて聞いて!さっき夏羽先輩と会っちゃった!!!!」
「は!?ずる!」
やっぱさっきのなし。こいつ敵。すきじゃない!
「私も会いたかったんだけど!!」
「だいじょーぶ!!昼休み一緒に学食食べる約束した!!」
「っ!!心ないす!!心は心の友だぞ!!!!」
「その言い方なんかややこしいからやめて」
「心の友よぉー!!!」
やっぱり心すき!!
夏羽先輩とご飯食べれるとかほんとに最高
「じゃまた昼休み行くから待っててねー」
「りょーかーい」
昼休みたのしみだなぁー
それからはまじ嵐みたいな感じで時間が過ぎてった
もう昼休みだよ
「ひなのーむかえにきたよー」
「心ちょっと待ってね財布とるから」
さいふーさいふーおさいふー
あったあった
お金は…あるね
よし
「じゃあいこー」
「うんー!」
いやたのしみだなあ
「ひなのさーん!」
「ん?あ!真奈じゃん」
「ひなのさんも学食ですか?よかったら一緒に…」
「おっとっとっと!すまないな真奈。今日は大事な先約があるんだ。あとさん付けじゃなくてひなの先輩とお呼び…」
「先輩呼びですかー?さん呼びの方が慣れてるんですけどー…」
「さん付けってなんか距離感じるからさ」
「分かりましたーひなの先輩」
「うん、今度一緒に学食たべよーね」
「っはい!!」
真奈も元気そうだねーよかったよかったー
さぁ勝負の時がやってきたぞ
夏羽先輩どこかな…
「ひなのちゃんに心ちゃーん!ここだよー!」
いた!かわいい!手振ってる!!
「夏羽せんぱーい」
「やっほー心ちゃん、朝ぶりだねー」
「先輩は今日1人ですかー?」
「そうなんだよー凛ちゃんやすみでさー」
凛ちゃんって言うのは凛先輩の事かな
テナー吹いてる人
「今日は初めて会うね」
「はい!うどんの券、もう買いましたか?」
「買ったよー、心ちゃんは気分によって変わるから買ってないけど」
「お金払いますね」
私と夏羽先輩は好きな食べ物の趣味が合うので学食の券を取ってもらうことが多い
ちらっと心の方を見ると日替わり定食にするかうどんかそばかラーメンか、それともクレープかで迷っている。ほんと気分によって食べたいの変わるなこいつ
「よし!クレープと激辛ラーメンにする!券取ってきますねー!」
「いってらっしゃーい」
クレープと激辛ラーメンって真逆じゃん。あ、真逆だからこそいいのか
「そういえば夏羽先輩、いつもはお弁当でしたよね?」
「そうなんだけど今日は学食で食べようかなって思ってさ」
「あーそれでいつも学食食べてる私たちを誘ったんですね」
「そうそう」
「あ、もう一個理由あってさ」
「?」
「ひなのちゃんと話したかったから」
夏羽先輩がふふっと照れくさそうに笑いながら言った
「え、えーなんか照れますよ」
「んふふー、照れさせるために言ったんだよー?あと昨日さ1年生の子と学校近くのカフェ行ってたよねー?」
「え、はい行ってました」
「だよねー」
んんなんでこんな浮気がバレた彼氏みたいな気持ちになるんだ。先輩ちょっと目からハイライト消えた…?
「あのカフェ私も気になってたんだよねー。どうだった〜?」
「あーケーキがすっっごく美味しかったですよ!」
なんだ先輩も気になってただけか。ハイライトも気のせいだな
「そうなんだ、今度行こうかな…」
「ひなのと夏羽せんぱーい!やっぱりクレープと坦々麺にしました!」
「おかえりー」
「じゃみんなで券持っていこっかー」
「りょうかいでーす」
坦々麺が心の制服に飛びまくって大変だったのはまた別のお話
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