無自覚グイグイ主人公のラブコメ

りね

後輩ができるらしい

 -キーンコーンカーンコーン


「ひなのー!部活行くよー!!」

「ちょっと準備終わるまで待っててー!」

「はやくー!!」


 こうして私を急かしているのは友人の井村心

 そして、急かされているのは桜庭ひなの

 でも急ごうとしない所が自分のいい所だと思っている。


「あーやっと来たーはやくいこー!」

「ちょっと走らないで体力がはあはあはあ」

「私より体力あるでしょ!!!!」


 運動なんて最近してないから体力ないのはほんとなのに…私の信用のなさがわかるな!誇らしい!と心の中で仁王立ちをする


「なんでそんな急いでんのー?」

「はあ!??今日は部活に1年も来る日だって忘れてんの!?!?」

「あーそういえば…」

「先生昨日言ってたじゃんー!」

「あんまり興味ないんだもんー!」


 確かに先生がそんな事を言っていた気もする。

 でも1年生にあんまり興味ないし今は3年の夏羽せんぱ…「早く上靴脱いで!点呼に間に合わんぞ!」


 心ちゃんこわーい

 てかもう音楽室か


「ガチャ」


「あ!ひなのと心!遅いぞー」

「ごめんごめん心が遅くてさぁー」

「ひなのが遅くて待ってたんじゃん!!!」

「相変わらず仲良いねー」


 にっこにこの笑顔で話しかけてきたのは石川優香

 心と同じクラスでその笑顔の裏側には悪魔が宿っているという「なんかひなの失礼なこと考えてる??」

「…考えてない!」

「何今の間ーw」


 妙に勘が鋭いという所がほんとに怖い。ほんとに。


「点呼始めます」

『はい!』


 あ、夏羽先輩だ。今日も可愛すぎる好き

 夏羽先輩というのは部長で私と同じパートの先輩であるとっっっっても可愛いガチでほんとに

 いやどこが可愛いかっていうとまず顔なんだけどさあの配置が完璧っていうか「桜庭」「…はい!」


 やべ心の中で独り言話しすぎて返事遅れちゃった


「...で、今日は1年生が部活に初めて来るので先輩である2、3年が1年生を引っ張っていってあげてください」

『はい!』

「では1年生が来るまで楽器の準備をしておいて下さい」

『はい!』


 そうして夏羽先輩の話は終わった

 楽器の準備するかーと思い席を立ち楽器庫へ向かうと夏羽先輩がいた


「ひなのちゃんだー!今日1年生来るの楽しみだね〜」

「あっはい、楽しみです!」

「じゃっ楽器の準備ちゃちゃっとしちゃおーう!」


 そう言って先輩は出ていった

 はあーーーーー緊張した…

 ふぅ、皆さんお察しの通り私先輩のことが好きなんですよ

 いや好きって言っても推し的な意味でね。てか皆さんって誰だ!?



「1年生が部活にくる...か」


 もうあれから1年経とうとしてるのかー

 私は友達に連れられて吹奏楽の体験に行って、親が楽器やってたし、雰囲気が楽しかったから入ったんだけど、それで良かったのかな、なんて今でも少し考える。


 あの時はコントラバスの先輩が面白いし可愛いかったから部活に入ろうと思ったんだったなー

 今思えば理由軽すぎだし、結局決まった楽器はクラリネットだけど...

 やりたい楽器とは違ったけど、違ったからこそ夏羽先輩と出会えた。


 クラリネットパートのことは結構もちろん気に入ってる

 面白いし楽しいし、クラリネットという楽器のことを好きになれた。


 というか1年が来るってことは、後輩ができる、のか?そっか、なるほど

 それは結構、てかだいぶ、いや、すっごく、かなり、重要すぎる。

 興味無いとか言ってる場合じゃなかったわ

 楽器組み立てながらぼーっと考える内容じゃない

 興味あるわ、後輩大事だわ、先輩って呼ばれたいわ

 気合い入れよう


「よし!!」

「っうわ!声でか!どしたん急に」

「心!わたし先輩って呼ばれたい!!」

「中学で呼ばれたことあるでしょ」

「中学はさん付けだった」

「あーそっか、あんたバレー部か」

「早く1年生来ないかな」

「興味なかったんじゃないの?」

「興味あるわ!!!!!」

「うるさ!!」


「みんなー!もう少しで1年生にくるよー!」


 あー緊張してきた...どんな子が入ってるんだろう

 ドキがムネムネしてきたぜ!!!!











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