昨日出会った少女、実は俺の裏の姿を知っている

くうき

プロローグ 入学翌日の配信で・・・

 俺は鎌倉健司かまくらけんじ。今年ピッカピカの高校一年生になった、ぼっちだ。ちなみに決して陰キャではない。ただ、自己紹介でやらかして友達が作れなかったパターンの人だ。ちなみに俺がやったことは・・・

「初めまして。俺の名は!鎌倉健司っ!!我が眷属になる者たちよ!!我によきに計らいたまえ!」

・・・これさ、普通の自己紹介で浮くこと分かっててどうしてこんなふざけた中二病構文をぶちかましたのかは俺には分からない。しかし、これから俺はやらなくてはいけないことがある。それは何かって?それじゃ、見てるといい。俺のもう一つの姿を!《・・・・・・・・・》



「どもども・・・タケツカです。今日もじゃあ、配信始めるよ~集まれ!!」

そう言った宣言と共に俺のパソコンの画面に向かって話し始める。それと同時にコメント欄では沢山の『こんばんは~』や『初見ですっ!』とか・・・色んなコメントが溢れかえっている。そんな中、同接数は10000を余裕で越えていた。

 そう、俺はマクライブの配信者で8強と呼ばれる中のトップに君臨している。ちなみに、何をやっているかって?そうだなぁ~主に歌う枠と雑談枠が多くて、配信じゃなくて動画投稿の時は、ゲーム実況、そしてちょっとしたネタ動画とか・・・まぁ色々やっている。


「それじゃ・・・今日は雑談にしようかな。何か、ありますか?」

その言葉と同時に色んな質問や、相談事がありそれを読み上げては返答していく。そんな中で一つやばい質問があった。

『貴方は・・・同じ高校の人よね?』

この時、チャット欄は固まり、俺は、完全に呆けてトリップした。

これが後、タケツカ史上最大の沈黙が訪れた瞬間だった。


 そしてその翌日の放課後、俺はラノベや少女漫画の主人公のような展開がやはり訪れた。

それは朝、下足箱の中に入ってた1通の手紙によって今、俺は体育館裏に呼ばれている。

「・・・ホントに何なんだ?迷惑行為とかだったら通報してやろ。」

何てふざけきった思考を巡らせていると

「待たせたわね。」

その声が静かに響き渡った。・・・どれどれ~一体って、この人うちのクラスの人じゃん。

「・・・」

「あら、厨二病くん?・・・」

「おい、俺は鎌倉健司って名前があるんだが?」

「それは置いといて。」

・・・えっ、そこ無視する?

「あなた、タケツカね?」

「・・・なんで分かった?」

「フフフ、何ででしょうね?あっ、私の名前を名乗るのを忘れてたわね。私は雪宮沙夜ゆきみやさやよ。そして、私と結婚して。」

「・・・」

う~ん。一つ言わせてくれ。多分俺の目標にしてた平穏な日常が完全にぶっ壊れたよね。後さ~俺、今どさくさに紛れてプロポーズされた?情報量が多すぎてもう訳わかんないわ。



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