何時如何なる場合においてもあなたが私を負かすことは絶対にありえないんだからね!?
泥んことかげ
第1枚目【来い来い来い!大量大群大切なお魚達よ!】
ご機嫌はいかがかしら? 下界にいる下々の諸君。
こんにちわ、
誰もが羨む白銀の長髪と同色の瞳。
誰もが振り返る程の美貌と両翼。
誰もが尊敬の眼差しを向ける神々しい華やかさを持っています。
職業は〝異世界転生者管理・勇者転生救済処置課〟に所属しています。
端的に言えば人間界にて死亡した〝魂〟を天界へと送り、第二の人生である異世界転生をさせているのです。
勿論、皆が夢見るチート付与やハーレム形成、困った際の各種サポートをするために存在する女神様ってこと。
そんな私達女神は細かいノルマやマニュアル作成、後輩の育成もある大変な仕事なのよ。
でも、高貴なる存在であり超優秀である私は、〝転生者候補〟を探しつつ人間界って物を満喫しているのです。
え、そんなダラダラして〝
勿論あるわよ。
しかし、まぁ……優美かつ優秀で完璧なる私は、それだけ心の余裕があるのよ。
全く……我ながら天才的過ぎて笑いが止まらないわ!
オーホッホッホ~!!――
『\激アツだよ/』
突如として脳に響く天の声さんからのお告げ。
『7?7』
目の前には上下に揃う〝7図柄〟。
それを見た瞬間に今まで味わったことのない脳汁とやらが、もうドバドバと溢れてきそうだった。
更に更に私の瞳に映るのは魚群魚群魚群やったぜ大量だ大漁!。
大当たりとやらよ、苦しゅうない近こう寄れ近こう寄れ。
おまけに左手を使って台を撫でてやろう。グヘヘヘヘヘ!!
更に〝
これは、現実? または夢なのか?
隣のご老人達から
でもでもでも、焦るな動揺するな私。
こうやって、ぬか喜びを与えるだけ与えて最後は地獄に叩き落とすのが
ちゃんとしっかり数字が揃うまで絶対に信用してはいけないのだ。
食らえ! 天界のデスクワークで磨いた女神である私による文字通り、神速の連打を!!!
『ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!』
ハハハハハッ! 皆の者よ見よ見よ!
『ヒューン、ヒューン、ヒューン――ピタッ』
『777』
「おっしゃあ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙~!!」
この出来事は、開店から十ニ時間四十三分と三十秒が経過した時。
完璧なる勝利を確信した私は、両手足をバタつかせ歓喜の雄叫びを上げた。
それから百八十秒後――大好きなう○い棒とやらを四百本ほど貰ったのだ。
全て同じ味であるが一本だけ手に取り口へと頬張る。
『あむあむ……むしゃむしゃ』
「うむ! 相変わらず〝佐藤さん家の冷蔵庫にある納豆とマヨネーズチリ味〟は
また、明日も日の出と共に来よう!
相変わらず空が綺麗だ!
天界からは下からの景色は見れないからのぉ!
「おっ、今宵は八つの星が煌めいとるではないか! そうかそうか、明日は〝眉毛の濃い男8〟でもやってみよう!」
今日も今日とてルンルン気分になって、人間界で借りた自宅へと帰るのだった。
【遊戯内容→パチンコ】
【本日の収支】
投資額
回収額 う○い棒〝佐藤さん家の冷蔵庫にある納豆とマヨネーズチリ味〟四百本。
これまでの負け額 諭吉様→百二十八人
これは女神であるレミリシャルが仕事を少しだけしつつ、ギャンブルにのめり込みながらもほのぼのと過ごす……そんなお話である。
★
拝啓
遠く離れた人間界で私は元気にしています。
誰もが驚く〝立派な転生者〟を連れて帰りますので、首を長くして待っててください。
by.貴女の瞳に映り込む可憐なる女神―レミリシャル―より
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