タイムリープでオペラった! ~正義の警察官を目指していた僕が転移した荒くれな未来世界で極刑確実な犯罪者&賞金首になってしまったので身を護る意味でも賞金稼ぎになって宇宙を冒険したり~
八乃前 陣
プロローグ 正義の少年 死す!
雨の降る月曜日。
通学路でもある都立高校の最寄り駅で、それは起こった。
顔と成績はともかく身長も体重も平均より乏しい高校一年生の男子「主人公男(あると きみお)」は、雨の中で高校へ向かう生徒たちと同じく、傘をさして登校中。
交差点の赤信号で信号待ちをしていた小学校低学年の女子が、雨の車道を渡って来た仔猫に気づいた。
飛び出した子猫に驚いたトラックの運転手は、急ブレーキでスリップをして、信号待ちをしている女子に向かい、凄い速さで滑ってくる。
危ない。
言葉ではなく意識でそう感じた公男は、傘を投げ出して咄嗟に走る。
少女の身体を掴み上げて、勢いのままに横断歩道を駆け抜けようとするも、右側からはスリップするトラック。
左側からは対向車。
後ろ。
言葉ではなく直感でそう感じると、全身を捻って、少女を後方の歩道へとパス。
「この子っ!」
「あっ、おうっ!」
トラックのスリップに驚いて注視していた男子高校生たちが、反射的に少女をキャッチ。
良し。
と感じる時には、公男の左半身に、世界が揺れる程の激しい振動が炸裂をした。
痛いと感じる前に三メートルほど飛ばされた少年は、事故現場に焦った対向車線の大型ダンプへと、頭を激突。
衝撃で安定しない視界のまま、公男の生命活動が終了をする。
この間、約二秒。
「「「っきゃああああああああああっ!」」」
女子たちとトラック運転手たちの悲鳴が轟く頃には、すでに公男は死んでいた。
雨の朝、こうして一人の少年が、この世を去った。
~プロローグ 終わり~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます