第12話 MOTHER
12-1 異変(1)
柿崎梨沙(29) 離婚歴三回、四人の子持ち
長男
収入は生活保護費三十万円、別れた二人目の元夫からの養育費五万円、児童手当四万五千円で、市営住宅に住み、金銭的には、ゆとりのある生活を送っている。
梨沙は身長が百五十一センチと小柄だが、ぽっちゃりした体型で、見た目からは三十五.六に見られることもあった。服装も黒っぽい物が好きで、けっして派手好きでもなく、オシャレといえば唯一赤く髪を染めていることだった。
子供四人のうち、上の二人は一人目の夫、次女は二人目の、そして末っ子は三人目の夫の間にできた子だった。子供は多いが、好きなわけではなく、むしろ自分の人生において邪魔だと思うこともあるくらいだった。
現在は、次の夫となるはずの彼、
梨沙は、夜中まで家に帰らないこともあった。翔磨との時間を大切にしたいという思いと、子供によるストレスを減らすために、夜遊びを続けていた。そして、子供が寝たであろう二十五時くらいに帰るのだ。朝も十時くらいに起きることは日常茶飯事だった。上の二人は小学校へ行くのだが、亜希と冬李の朝の面倒は、その二人に任せていた。
こんな生活が正しいとは、梨沙も思っていなかったが、できないことはどうしようもないと、自分から諦めていた。そんな梨沙の生活に、ある日、大きな異変が起きた。
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