第11話 ロンドたちとの再会
魔族か......。ここ最近魔族で関わる件が多すぎる。最初はロンドの師匠であるリーフさん。そして、ルーナの弟を救う際に出会った魔族や昨日の一件で関わったバカルさんを蘇生させた魔族。最後に関しては魔族と出会ったわけではないが、間接的に関わっているのは確かだ。
「それで、受けてくれるか?」
「はい。もちろん俺は受けていいですが、ルーナとクロエの意見も聞きたいですね」
そう、今は俺とルーナ、クロエの三人でパーティを組んでいる。それなのに俺が勝手にクエストの了承をするわけにもいかない。そのため、二人の方向を向くと
「私はいいですよ」
「私も。頼まれたならやるのは当たり前だと思うしね」
よかった。ここで、断られたらなんて説得しようか迷っていた。最終的にダメなら、今回の一件はあきらめることも視野に入れていた。
「そうか。本当に悪いな」
「いいですよ。ガイルさんには恩もありますし、俺たちを信用して頼ってくれたってことですもんね?」
「あぁ。逆に信用できる人じゃなければ頼ることなんてできないからな」
「じゃあ、場所だけ教えてください」
「おう。ちょっと待ってろ」
ガイルさんがそう言うと、来賓室から一旦出て行った。
(それにしても火山に魔族がいる意味が分からない......)
まず、なんで火山に魔族が行く必要があるんだ? バカルさんの一件も踏まえると、狐人族の国に行ったのはわかる。自我を持つ死者を蘇生するためだろうから。でも火山にそんな存在がいるとは思えない。相手の立場なら、エルフ国や他種族の国へ行って死者を蘇生させた方が効率が良いと思うんだがなぁ......。
「悪い待たせた。これを見てくれ」
そう言われて、テーブルに地図が広げられた。そこには赤いマークがされた場所があり、そこをガイルさんが指さして
「ここに行ってほしい」
「ここですか。ちょっと遠いですね」
地図を見る限り、最低でも2週間ぐらいはかかると思われる。
「あぁ、はっきり言って少し長旅になる。転移結晶を渡したいが、流石に遠出の際に何回も渡すのはこちらとしては厳しくてな。頼んでいる立場なのに申し訳ない」
「別にいいですよ!! 逆に何度ももらうとこちらも気が引けると言いますか......」
何度も何度も貴重なアイテムである転移結晶をもらうと、流石にこちらも申し訳ない気持ちになる。
「そう言ってもらえると助かる」
「はい。ですがきちんと報酬はもらいますよ」
「あぁ。それはもちろんだ」
そして、俺たちが会釈をして部屋を出ようとした時
「頼んだよ」
「「「はい」」」
★
ギルドを後にして、まず下町で必要な物資を集める。
「え~と。食料と武器の整備アイテム。後は~」
「冷水じゃないか?」
「「そうだ!!」」
今回の旅で一番大切なのは冷水だ。熱いところで戦うことを想定するなら、確実に冷水を呑まない限り普段通りの戦闘ができないだろう。それほど、冷水は必需品だ。
「じゃあそれも買って~。あ!! 馬車を借りなくちゃだね」
「そうだな。いつも借りているところへ行こう」
一旦、必要なものの目星が着いたので、下街で必需品をそろえたのち、行きつけの馬車に向かい始めた。その道中、ある人物と出会う。
「よぉ、メイソン」
「あ、ロンド」
ロンドたちは複雑そうな表情もしていた。
「今から何をしに行くんだ?」
「あ~。まあいつも通りクエストを受けるために馬車を借りに行くんだよ」
「え? メイソンたちは馬車を持っていないのか?」
「あぁ」
すると、全員が驚いた表情をしたのち、すぐさま手を引っ張られて
「ちょっと来い」
「「待って!! メイソンをどこへ連れていくつもり?」」
ロンドの行動をルーナとクロエが止めに入る。
「大丈夫。もう取ったりしないから。それに......。お二人にもいいことだからさ」
「そ、それならいいけど」
「うん」
そう言われて、路地裏に連れていかれる。するとロンドが
「明後日まで出発は待ってくれないか?」
「え? 良いけどなんでだ?」
「馬車の件は俺に任せてくれ」
「??」
馬車の件って......。ロンドに馬車を貸してくれる知り合いなんていたっけ?
「ダメか?」
「いや、そう言うならいいけどさ」
「おう! 悪いな」
「いいよ」
そして、俺たちがみんなの元へ戻ると、シャイルだけぽつんと立っている状況になっていて、ルーナとクロエ、ミロの女性三人で何かを話していた。
「お待たせ」
「あ!」
俺の声を聞いて、ルーナとクロエが顔を真っ赤にしながらこちらを見てくる。
「??」
俺とロンドは何が何だかわからない状況であったが、ロンドがシャイルとミロの元へ戻ると、手を振りながら
「じゃあまた明後日な」
「あぁ」
こうして一旦ロンドたちと別れた。その後、二人にもロンドに言われたことを説明して、屋敷に戻った。夕食を取って、部屋で寝ようとした時、クロエとルーナが中へ入ってきて、
「明日休みじゃない??」
「あぁ。それがどうした?」
「ちょっと、三人で遊びにでも行かない?」
「あ、良いけど」
まあ、明日はグラムの手入れでもしようと思っていたが、別に後でもできるからな。
「じゃあ決定ね!!」
「うん」
すると、ルーナとクロエが喜びながら部屋を後にした。
(なんだったんだ?)
そう思いながらも、火山の探索に着いて考えて就寝をした。
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