第4話 精霊王の湖
「!!」
二人の姿を見て息を呑んだ。
(可愛い......)
ルーナは胸元がヒラヒラしている水色のビキニを着ていて、金髪と似合っているし、クロエも同様に黒色のビキニを着ていて銀髪に似合っていた。
俺が呆然としながら二人を見ていると、ルーナとクロエが少し顔を赤くしながら
「えっと......。どうかな?」
「何か言ってよ......」
「ご、ごめん。二人とも似合っているよ」
「「本当に!!」」
すると二人は満面の笑みで俺の方を見てきて、その後二人で和気あいあいと話し合っていた。
「メイソンも似合っているよ?」
「そうね!!」
「ありがとう」
二人に褒められて、むずがゆい感覚になりながら俯いた。いや、男が似合っているってなんだよ!!
「じゃあ湖に入ろっか!!」
「あぁ」
「うん!」
まず最初にルーナが湖に入ると
「冷た!!」
と言いながらも、徐々に湖に入って行く。そして、くるぶしまで浸かったところでクロエも入って行った。
「冷たい」
「ね! でも気持ちいね~」
「うん! 狐獣国にこんな場所なかったから新鮮!!」
「ならここに来てよかった!!」
するとルーナとクロエが俺に手招きをしてきて
「メイソンも早く!!」
「そうよ!!」
「あ、うん」
俺も二人に続くように湖に足をつける。
(冷た!)
二人が言っている通り、本当に冷たかった。でも夏場である今、これぐらいが気持ちいいな。そして、徐々にルーナとクロエの方に近寄っていくと、ルーナから水をかけられる。
「ッ!」
「ふふ~ん。どう?」
「どうって。冷たいに決まってるだろ!!」
俺はルーナにやり返すように水をかけようとしたところ、ルーナは俺がかけようとした水を避けてクロエにかかってしまう。
「あ、ごめん」
「ごめんじゃな~い!!」
クロエにそう言われながらルーナと同時に何度も水をかけられてた。その後、三人で湖に泳いだり潜ったりして湖を遊びつくした。
そして夕日が落ちかけ始めたころ合いを見て、湖を後にしようとした。
☆
屋敷に戻ると、ルーナとクロエが夜ご飯を作ってくれると言ってくれたので、それに甘えて自室に戻ってグラムなどの手入れをし始める。
(それにしても普通の湖だったな)
ルーナが言っていた加護してくれている人物と話せるということも起きなかったし、本当に何も起きない休日であった。でも、そんな日でよかったとも思う。なんせ、今まで三人でこんな休日を過ごしたことが無かったのだから。
そこから三十分ほど経ったところで、ルーナとクロエに呼ばれて夜ご飯を一緒に取り始めた。
「これは?」
「これは、ここで作った薬草を使った料理だよ!!」
ルーナが作った薬草料理を一口食べる。
(おいしい!)
ほんのり苦みがありながらも、素材を生かせていて非常においしかった。その後も二口目、三口目と口に入れているとルーナがニコニコ笑いながらこちらを見て来ていたので
「ん? どうした?」
「おいしそうに食べてくれてよかったな~って」
そこでやっと、自分が食べ物に夢中になっていることに気付いて少し恥ずかしくなった。
「本当においしいよ......」
「あ、ありがとぅ......」
その後、クロエに勧められた料理を食べつつ三人で食事を済ませた後、少し雑談をして部屋に戻った。
俺はベットに腰を下ろすと、湖で遊んだ反動がここで来て、すぐに睡魔が来て就寝してしまった。
そして目を開けると、そこには白い靄がいて
{やぁ!}
{え?}
俺は当たりを見回りながら、驚いた。
(ここは……)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます