第13話 王都バルザック
サランガから王都迄の間にはそこそこ街がある。
ざーっと書き出すと次の通りで、村の名前は書き出すのが嫌になって割愛した。
此処で初めて国の名前がテレンザ王国と知り、アルカート・オルク・テレンザ国王だって。
**村
キューキル
**村
ヨセルト
・・・・・・
**村
〇サランガ、元ユーノス・コリアナ伯爵領
**村
**村
ヘメス
ホルン
**村
・・・・・・
**村
ローランド
**村
キュールス
・・・・・・
**村
アルファン
アルカト
ヘルン
**村
・・・・・・
**村
ヤルナス
**村
ヨードル
・・・・・・
ホーヘン
ルクラン
**村
〇 王都、バルザック
**村
トケルト
アーサル
・・・・・・
エブン
クルクト
・・・・・・
**村
ヘイロー、
ハムール
王都の間に11の街があり、間に10の小さな村が点在する。
ラノベと違うなと思ったが西部劇でも在るまいし当然か。
穴だらけの道を馬車で一日行けば20,30キロは進むので街や村くらいあるのが普通だよな。
徒歩で行けば平均1時間4キロとして一日8時間歩けば32キロ、行く先々に転移魔方陣を作るのは絶対だ。
同じ道を2度もテクテク歩くのは拷問だぜ。
早朝サランガを発ち黙々と歩き昼過ぎに最初の村エニマを通過、一応エニマ村の外れに転移魔方陣を設置しておく。
人から見え難い場所って人家の近くには案外無いんだよな、ミニマッターホルンがいきなり出来たらびっくりするだろうし。
陽も暮れる頃にドブグル村の手前、森の中にミニマッターホルンを設置してスタートゲートに跳びおやすみなさい。
ヘメスの街に着いたのが昼過ぎだが、入口の混雑で手間取り街のホテルに投宿する。
翌日街を散策するも、興味を引く物も無いので昼過ぎには街を出た。
ヘメスゲート設置に森に入るが、この辺の森は浅いのかゴブリンすら見掛けない。
ホルンには陽も暮れてからの到着になるのでルーシュに前を歩かせて、ホルンのゲート設置場所を探して貰う。
余りに単調な旅に飽きて来たので、ホルンの街で冒険者ギルドを覗き依頼内容を見て歩く。
主要街道なので護衛依頼以外は精々ゴブリンや角兎,鹿,猪等難易度の低い依頼が多い。
ギルドを出ようとして呼び止められた。
「王都テレンザの手前ルクラン迄の護衛依頼を出したのだが、受けくれる冒険者がいなくて困っているのです。一日銀貨2枚で朝夕の食事も付けるので受けてもらえないですか。急ぐので多分全て夜営になると思うのですが、無事に到着すれば銀貨5枚の手当を払います」
「依頼は出しているのか」
頷くので依頼票を探すと、周囲の依頼より多少高いが、夜営になるのが嫌われた様だ。
依頼票を取り他にも受けた奴がいるのか、受付に聞くが誰も受けていないとの返事。
受付の姐さんが依頼票を見ながら、主要街道なので一人二人冒険者が護衛に付けば楽な仕事だと話す。
ランクを聞かれたのでカードを見せる。
「あらまー若いのにゴールドの二級かい、あんた一人でも楽勝だよ。暇なら受けてやりなよ」
「油断すると死ぬのがこの商売だからな。俺はこの街道を歩くのは初めてなんだが、途中に危険な場所は多いのか」
「最近は賊が出たとは聞かないよ」
「あんたは、俺一人の護衛でも良いのか」
「お願いします。ゴールドランクなら安心です」
「旅の途中で、俺の都合で1時間程度停める事があるが、それでも良いなら受けよう。王都迄の暇潰しになるしな」
受付に依頼票とカードを出して依頼を受ける。
依頼人と同行者の泊まるホテル迄行くと、20才前後の男女だった。
四人乗りの馬車を引き出して来る、てっきり荷馬車だと思っていたので驚いた。
直ぐに出立つしようとするので馬車の点検は済ませたのか確認、俺は馬車の修理なぞ出来ないからな。
「俺はユーヤだ。護衛依頼を受けるのは初めてなので、宜しく頼む」
「私はお二人の供の者で、御者を勤めますプロムと申します。お二人はブランディ様とフェルス様です」
頭を下げる二人に、会釈して馬車に同乗する。
「お荷物は・・・」
「あぁマジックポーチに全て持っているので心配ない。俺の食事の必要も無いので、食事は勝手にやってくれ。急ぐのだろう」
馬車はホルの街を出るとルクランに向けて走り出した。
走るといっても石ころと穴だらけの道なので、人が歩くより少し早いくらいの速度だ。
乗り心地は最悪の一言で、一応クッションはあるのだが近代日本から来た身としては辛いが、文句を言わずに堪えるしかない。
時々降りて馬車と並走する、精々早歩き程度なので固まった体を解す良い運動だ。
ユルカを過ぎユルンドの手前で夜営する事になった、二人は馬車の中でプロムはテントを取り出したのでドームを造ってやる事にした。
馬車と馬の為の塀を巡らし、プロムのドームと二人の為のドームを造る。
寝具は持っている様だが、ベットはコリアナ伯爵の地下から救い出した女性達の為に使った、折り畳みの簡易ベットを貸した。
食事をしながら口外無用を告げ、ルーシュを三人の前に出す。
滅多に居ないらしい使役魔獣に驚いていたが、夜間の警戒はルーシュに任せるので安心して寝て良いと告げる。
三人共びっくりしていたが、ルーシュが俺の膝に乗り食事の肉を食べているのを見て微笑んでいる。
子猫に腹を立てる奴はまずいないので、初対面の緊張を解すにはルーシュは役に立つ。
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