第10話 ボイド空間徒然
宇宙は泡構造になっていることがわかっています。泡の表面部分に銀河が集まり、泡の空洞部分=ボイドと呼ばれる星がない暗黒空間があります。
正重力下において、もし、反物質(反粒子)が斥力を感じるのあれば、ボイド空間の謎が解けるのではないかと思います。
対生成によって、正粒子と反粒子が生まれます。正粒子は重力により集まろうと集合していきますが、反粒子は、斥力のため、逆に離れよう、遠ざかろうという動きをします。反粒子は、その斥力のため、反粒子同士お互いに集合することはなく、たまに、反陽子と陽電子が出会って反水素原子を作ることはあるかもしれません。
こうして、反粒子は、どんどん正粒子から遠ざかり、正粒子はどんどん集まって水素原子→星→太陽→銀河と成長していきます。結果として、正粒子は、銀河系→銀河団と成長を続け、反粒子は銀河から遠ざかる位置に漠然と集る=ボイド空間を形成するわけです。
つまり、ボイド空間には大量の反粒子が存在しているということ。しかも、ほとんど単離の粒子として存在するため、光が当たっても反射することがなく、外部からの観測がむずかしい。わずかな反原子、反分子により光は反射されるので、それは観測できるでしょう。これが宇宙背景放射ではないかと睨んでいます。
また、これにより、ビッグバン後、大量にできたはずの正粒子と反粒子、今は正粒子しか周りに存在しない理由も説明できます。反粒子は逃げてしまったのだと。逃げてしまっているだけで、存在はしています。
遠い将来、ボイド空間は、反粒子の狩場として荒らされるかもしれません。単離しているので、電磁気で分離回収しやすいエネルギー源として優秀です。ちと、遠いのが難点ですが。
というわけで、反粒子は、正重力下では集合して星を形成することができないため、残念ながら反物質星はないと思います。
ただし、宇宙のどこかに減速縮退エリアが存在した場合、その空間では、反物質星が存在する可能性があります。減速縮退エリアでは、逆に正物質が斥力を感じるため、斥力が強すぎると、足を踏み入れたとたん、液状化や昇華、下手すると原子分解してしまうかもしれませんので、ご注意を。
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