初めて室内犬を飼う
月夜のねこ
第1話 犬が好き
私は、小さい頃から犬が大好きでした。
幼少期に身近にいた犬といえば、親戚の家の犬、学校の帰り道にある工場の外で飼われている犬、近所の家の犬、そんな感じでした。
どの犬も、人懐こく、近寄れば尻尾をふり、
喜んで撫でられる犬達ばかり。
近くに飼い主がいなくても、気軽に触れられて、とても可愛い動物というイメージでした。
私が小学生になると、近所の仲良しのお友だちが犬を飼い始め、当然私も飼いたくてたまりませんでした。
親からやっと許可が出たのは、私が小学三年生になったときでした。
親戚の家で仔犬が二頭いるから譲ってくれると父から言われ、大喜びで見に行きました。
そこには、真っ白な猟犬の仔犬と、茶色がベースのいろんな色が混ざった雑種の仔犬がいました。
私は迷うことなく茶色の仔犬に決め、親戚のおばあちゃんにそのことを伝えると、「まだ生まれて間もないから、生後4、5ヶ月したら迎えにおいで。」
と言われました。
それからしばらくして、仔犬を迎え、当時は外で飼育している家がほとんどで、私の家でも外で飼育することになりました。
すごいスピードで大きくなり、いたずらもすごいパワーでした。
中型犬なので、フェンスを噛んで穴を開けたり、庭の至る所に穴を掘ったり、プラスチックの犬小屋を破壊したり…。
そんな犬さんでも、決して人に吠えたり、噛んだりすることはなく、唸ることもなく、人が大好きな犬さんでした。
穏やかに人と接することのできる犬で、その性格のまま歳をとり、最後は老衰で静かに亡くなりました。
これが私が人生で初めて飼ってもらった犬さんでした。
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