エピローグ
金網と鉄格子で囲われた留置場で、ハミングが聞こえた。
ヴィヴァルディの「冬」第1楽章だった。
「静かにしなさい」
女性看守が金網を叩いて、ハミングをしていた囚人に注意をした。
ハミングがやんだ。
しかし、壱岐遥香が白い歯を見せて笑っていた。
「黒いオーケストラが、……鳴り響く」
看守はそれが大事件の予兆であるとは、気づかなかった。
壱岐遥香が漏らした重大な独り言は、本富士警察署留置管理課の業務日誌に記されることもなく埋もれていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます