4話目 優しい殺人鬼と普通の女子高生

「ねぇ廻?お腹空いたんだけど、どうするの?」

「これ、さっき盗った金。コンビニかどっかで買ってこいよ。」

「でも、服が血塗れなんだよね。」

「気にしなくてもコスプレですって言えば大丈夫だろ。」


そういえば結。服装多分パジャマのままだよな。モコモコしてる感じあるもんな。今は血でカサカサになって、見るも無惨なパジャマみたいになってるけのどな。あぁ、パジャマじゃなくて寝間着っていうか。


でも、前までは9つって言ってたから大丈夫だと思うが今はちゃんと21っていったよな?あんなに無防備でいいのか?だから昨日みたいに男に誘われるんだよな。まぁ、結は、大丈夫か、殺れるだろ。


「そんなことよりも、これからどーすっかな。だいぶ俺の顔も広まってる気がするんだよなぁ。もう9年だもんな。まぁ、だいぶカイになった時とは雰囲気とか、顔とかも変わるからなぁ。服装ちゃんとすればもしかしたらバレない?」


今までは1人だったから、自由がきいてたけど、今は2人、しかも女だからなぁ。女ってちょこちょこめんどくさいからな。あ、女がじゃなくて、女の生態がな。


少しずつ、この生活から抜け出すことも考えなきゃ行けねぇのか?まぁ、これは俺が1人で決めることじゃないからな。


「ただいま〜。色々買ってきたよー。はいおにぎり。」

「お、ありがと。お金余ったか?」

「余ったよ?なにかに使うの?」

「いや、結の服を買ってやろうかなと思ってな。お前それ寝間着だろ。シャツ買いに行くぞ。」

「え、いやいいよ。このままでいいよ。」

「俺が良くない。食べ終わったら行くからな。」


俺と同じ白シャツでいいだろ。意外と胸がでけぇから大きめのやつ買えば丈も足りるだろうし。


結視点


廻、意外と優しい?いや元から優しかったか。でもシャツ買いに行くって、服屋に行くの?この血まみれで?まぁ、新しくなるのは嬉しいけど、廻は新しい服を買わなくていいのかな。


あと…お風呂入りたいな…。


廻視点


「ねぇ廻。廻はお風呂入ってる?」

「時々、銭湯見っけたら入ってる。そこでシャツも洗ってる。」

「そっか。廻は新しいシャツいらないの?」

「これ気に入ってるから、これが破れるまではいいかな。」

「へぇ。貰い物みたいなの?」

「そんな感じ。」


やっぱり結は勘が鋭いな。これは貰い物なんだよな。あとナイフもだけど。くれたのは違う人だから。大切さで言ったらナイフの方が大切かな。


「さ、食い終わったろ。行くぞ。」


そう言って俺と結は服屋に向かう。


ゆっくりとだけど確実に忍び寄っている危険に気づかずに。


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