寂しがり屋のサラリーマン、エッセイを書く
@sumi-essay
第1話 寂しさ
世の中には第一感情と第二感情というものがあります。
例えば、怒り。怒りは第二感情です。第二感情はそれ単体では発生しないものです。その発生には、第一感情の発生が必要です。第一感情は第二感情を発生させうるもの、怒りを発生させる第一感情は何でしょうか。悲しさ、羞恥、不安、困惑、さみしさ。人によってそれは異なります。
さて、私の話をさせてください。私の人生はずっと、寂しさという第一感情によって支配されていました。私の行動はすべて、寂しさに端を発したものだったのです。
寂しいから、人の輪に入る、寂しいから本を読む、寂しいから新しいことに挑戦する。けれど、私は人と関わることが得意ではありません。すぐに疲れてしまうのです。会話をしている最中も、私はきちんと‘正しい‘返事が出来ているだろうか、おかしなことを言っていないだろうか、常に不安に駆られるのです。疲れを感じては一人になり、寂しくてまた輪に戻る。ずっと、満たされない。こんな私が満たされることはあるのか、こんな私を認めてくれるただ一人のひと、そんな人と出会いたいと思ったこともあります。
でも、誰と会っても疲れてしまう私にそんな風に私を理解してくれる人は都合よくはあらわれません。
人は素敵な人に惹かれます。はたして、私は他人が興味を持って、うちに踏み込んでくれるような人間なのか?答えは否です。私は、輝くような美貌でもなければ、みんなを先導するリーダーシップもありません。なんの面白味もない人間です。
漠然と、時が来れば、燃えるような恋をして、恋人ができて、結婚してと夢を描いていました。現実はそんなに甘ったるくはないのです。大学を卒業して、一般企業に勤めて生きているので、苦いとまでは言いませんが、ただ座していれば理想の城がたつことはないのです。
また、私の一番の望みが人間に対するものなのもいただけません。
人間は感情があります。思考する生き物です。それでは、一方が理想を掲げただけでは上手くいきっこありません。
どうしたらいいのでしょうね。
諦めです。
こんな自分に好意を寄せてくれる人もいました。けれどだめなのです。好きがわからなくて、ぐるぐると息苦しさが募ります。寂しいから人とつながりたいのに、人といると苦しいのです。
まるで水の中にいるかのよう。
まだまだ、私の戦いは続きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます