未知との大遭遇 〜2〜
一方その頃。
地球の遥か上空に、静かに、しかし割と騒がしく近づく物体があった。
そう、異星人たちの宇宙船である。
「ここがちきうか。話には聞いていたが、思いのほか美しいな!」
いかにもな尖った風貌の男が、ブリッジの艦長席に座しながら、ワイングラスを片手にニヤリと微笑む。
「おいジャネット、用意はできているな?」
男は、目つきの悪いオペレーターに声をかけた。
「アニキさぁ、ホントにやるワケぇ?無理しないで、いい加減もう帰ろうよぉ。」
ジャネット、と呼ばれた彼女は、煎餅のようなものをパリパリとかじりながら訝しげな表情を浮かべた。地球人には計り知れない高度なデバイス(地球でいうスマホだろうか?)をイジりながら、完全に上の空だ。
「う、うるさい!今さら帰れるか!俺様は、自分の力で勢力を広げるのだ!地球人には悪いが、この星には、その足掛かりとなってもらう!」
フルーツジュースを飲み干し、引きつった笑顔を浮かべながら叫ぶ。
「バンキッシュ、出せるんだろうな?!間もなく降下するぞ!」
ジャネットへ目配せをしながら、思わせぶりな、地球で言うと中二くさい、そしてワルっぽいポーズを取る。ちょっと説明に困るポージングだ。
「あーハイハイ。いつでも出せますよー。で、どこに降りるのー。」
「そうだな…この『ニポン』というところにするぞ!何やら都合が良さそうだからな…!」
その頃ニポン人たちは、この国に危機が迫っていることも知らず、慌ただしく、いつもと変わらない日常を送っていた。
ただし、ありふえれた生活にも、少しだけ変化は訪れる。それは、重機製造会社「スタークラウン」社が、とある重大発表を目前に控えていたことであった。
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