第13話 結婚しました。


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 ■ 婚姻に向かって走れ

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 プチン……俺の中で何かが切れる音がした。

 

 『ひゃっ!!、んんんっ、あぐうぅっ、あはぁ~もう、いきなり何をするんですか~?』

 「嫌だったのか?」

 俺はロミアーナを引き寄せてキスをした。

 

 『嫌じゃありませんけど、ファーストキスだったのに……これで帰すなんて言うのは許しませんからね。』

 

 「帰すわけ無いだろう、ロミアーナは俺の嫁だ。死ぬまで帰さないよ。」

 『もう、強引な人ね。うふっ、末永くよろしくね。』

 

 《あっ、あうう、あうう……》

 イルザナは俺とロミアーナのキスを見て驚いたのか言葉にならない声を発している。

 

 「おい!!、俺の嫁を侮辱するやつは何人たりとも許さん。今回は見逃してやる、さっさと荷物をまとめて国へ帰れ!」

 

 《帝国の姫に対しての無礼!許しませんよ。覚悟しておきなさい。》

 「ほぉう!、それはアルスタン帝国に対する宣戦布告だな!あぁ、しっかりと覚悟しておくよ。」

 

 <お、お待ち下さい!、お待ちくださいませ!>

 <何卒、何卒、この姫の無礼、お許し下さい。>

 《あんた達、何バカなこと言ってるの、国に帰ったら処分するから覚悟しなさい。》

 《あうっ》

 イルザナはお付きのメイドと思っていた従者にみぞおちを殴られて気絶した。もう一人いた男の従者の肩に担がれて退場していった。

 

 <どうか、話だけでも聞いて頂けませんか、聞いて頂ければこの身を差し上げます。>

 「はぁ、どういうことだ!」

 皇帝陛下はイルザナに対して伯爵様に気に入られるよう、特に獣人の嫁とは出来れば仲良く、それが出来なければ最低でも敵対せぬよう厳しく言いつけられてこの地にまいった次第です。

 

 「で、調子に乗ったってとこか?」

 <はい、恐らく伯爵様の優しさを勘違いしたものかと……>

 

 「わかった今回のことは水に流そう。でもあれはいらないので連れて帰ってくれ

 ところでお前は誰だ?」

 申し訳ございません、名乗りが遅れました。私はヴィリアと言うメイドでございます。平民ゆえ名字はございません。

 

 「平民のメイドがなぜ、この場に……」

 <…………>

 {ヴィリア、よい、私が話そう。

 私はグリズリア帝国、諜報部第1局の局長を務めておりますルーベルト・フランゼンと申します。帝国では公爵を拝しております。}

 

 {そこにおるヴィリアなるものは皇帝の息女でございますが母親が平民ゆえ継承権は持ちませんが市中に置いて於いては色々と不都合がありますゆえ城にてメイドをしている次第です。

 無論、皇帝陛下もナオト伯爵様と争う気は全くありませんことをご了解くだされば幸せでございます。}

 

 「わかった、最初は俺の方から宣戦布告をさせたくてこんなのを送ってきたのかと思ったけど、皇女ではなくバカな女の暴走で良いんだな。

 皇女ということであれば見逃すわけには行かなくなるが……」

 

 {ははっ、ありがたき幸せ。

 この度は途中で皇女と見知らぬ女が入れ替わっていたことを気づかず連れ来てしまい大変申し訳無い所存です。深くお詫び申し上げます。}

 

 「わかった。公爵殿の謝罪は受け取った。皇女に問題はなかった。それでよしとしよう」

 

 {一緒に帰ろうとするヴィリアを見てルーベルト公爵は非常にも告げるのだった。

 ヴィリアそなたは残ってナオト伯爵殿に奴隷として使えるのだ。先程自分でこの身を差し出すと言ったではないのか?}

 

 「あっ! はい、言いました。」

 ナオト伯爵殿よろしくお願いします。

 

 「わかりました。」

 

 イルザナは罪人として拘束されドナドナされて行った。

 

 

 

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 ▼ グリズリア帝国

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 『ルーベルト、どうなったのだ?、あのバカ娘の様子を見ると大体の想像は付くがまさか、戦争にはならんだろうな!』

 

 《はい、一歩手前まで行きましたが、なんとか皇女ではなく知らぬ女が入れ替わっての所業ということで穏便に済ませてもらいました。》

 ルーベルト公爵は姫の対応を詳しく離すと皇帝は顔を青くしたり赤くしたりしていた。

 

 『よく、それで相手は切れなかったもんだな。』

 《はい、それで姫も勘違いしたと言うか図に乗ったと言うか、まあ、そんなわけです。》

 

 『ふぅ、他に年頃の娘がおればのう、あいつしかおらんかったから仕方なくやったが、奴隷とはいえヴィリアを置けたのは良かったな。

 ところでお前が見た目で公爵はどうだ!』

 

 《やはり、調査通りだと思われます。敵対するべきではございません、この国が滅ぶでしょう。》

 

 『そこまでか!、じゃ、もう領土は増やせんって事かのう。』

 

 《いえ、それは心配ないかと、あの男は世界を統一する野心も守る気などありません、自分の回りさえ安泰ならそれで良いと言う考えだと思います。つまりあの国とあの国の友好国であるイスマニアさえ手を出さなければ動きますまい。》

 

 《どっちみちイスマニアは海の向こうです、攻めるには分が悪すぎますからこちらとしては元々攻める気もないので痛くも痒くもありません。》

 

 『覇権を求める男でなくて幸いだったわけだ、この国が大きくなれば経済的に支配も可能だろう。』

 皇帝は見果てぬ夢に思いを抱いていた。

 

 

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 ▼ 直人は結婚しちゃいました。

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 バルメニア教国から司祭が訪れて粛々と結婚式は行われた。

 結婚式の後、3日間はお祭り状態でどんちゃん騒ぎで大変賑わっていたが俺は俺で大変だった。

 結婚式だけでも大変なのに公爵への叙爵もあってそのお披露目も兼ねたパーティーも同時開催としてのでまあ大変だ、人が後から後からと途切れることもなくやってくる。俺は引きつりそうな笑顔で対応していく……二度とやるもんじゃないなと思った。

 まあ、普通は二度もやらないけどね。

 

 ちなみに奥さんであるメルクリートが次期女王となるので結局、外に屋敷を持つことはなく王城にそのまま済むこととなった。

 まあ、部屋は今よりさらに奥に引っ込むことになったけど。

 

 ちなみに正妻はメルクリートということになったは妻に順番をつけるつもりはない。

 そういえば結婚式に出ていたグリズリアの皇帝は奴隷と思っていたヴィリアが妻として結婚式に出ているのを見て驚くやら喜ぶやらで大変だったらしい。

 

 ヴィリアによると前回のことがあり、嫁を出せなかったため、恭順を示す意味で皇帝自ら式に参列したらしい。

 ま、取り敢えずはこちらに牙を剥かなければ問題ないんだけどね。

 

 イルザナは皇席を剥奪され辺境の功績のあった貴族に褒美に妾として下げ渡されたらしい。

 彼女が表舞台に立つことは二度となかった。

 

 

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 ▼ 初夜はウキウキドキドキ

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 結婚式が終わったら待望の初夜だ……大事なことだからもう一度、初夜だ。

 まさか、みんな一緒にって分けには行かなくて……

 そんな勇気はなかった。実はチキンなんだ……

 

 順番はなんとなく決まった順にした。

 アリエル、メルクリート、ジェシカ、ヴィリアの順になった。4日も連続でなんて俺は耐えられるか心配なんで女神経由のドラッグストアで買いました。○○液

 

 これからやるんだと思うと妙に恥ずかしい。なぜかパンツを押さえている自分がいる。

 そう、やり方は向こうにいる時に何度も学習済みだ……でも、実践はない。

 誰だって初めては有るんだ、勇気を持って突撃一番だ……

 

 最初はなかなかうまく行かなかった。きっと皆こんなもんだろうと思う。

 なんとなく場所がわかったと言うか行きだしたらすごかった。

 

 僕は欲望に歓喜して震える、そう、僕は野獣とかした。

 

 そして何度も何度も。気づいた時には明け方だった。

 ふと、アリエルを見ると白目を向いて気絶していた。

 

 大変なことになっているシーツがとても冷たかった。

 

 母さんおれ結婚しました。

 シーツのお尻の部分が冷たいです。

 

 母さんが敷いてくれたあの白いシーツはとてもあったかった。

 あのシーツが恋しいです。

 あのシーツはどこに行ったんでしょうね。

 

 シーツを魔法で乾かした。

 ちょっとバリバリするけど、糊が効いてると思うと気にならなくなった。

 

 さぁ、明日も頑張るぞ!!

 俺は眠りについた。

 

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