国民的アイドルが、超毒舌な義妹化した件

てへぺろ侍

日常編

プロローグ 未来天使

「こんにちは。今日からお世話になります。未来です」


 天使だ。天使が来た。


 母親がいきなり再婚すると言い出して、ひと月も経たずに連れてきた旦那に連れられてきた義妹の感想はただ「美人すぎかよ」に尽きる少女だった。


 ムラなく染められた金髪と青い瞳が日本人に見えなかった。

 このビジュアルで「お兄ちゃん!」と言われた日には、俺は成仏しているだろう。


 不安なのか、目を伏せたままの未来を見て、「兄だから馴染めるようにサポートしてやんなきゃ」と決意をした。


「よろしく、俺は豊です。えっと、色々と困ったことがあれば言ってください。未来さんでいいかな?」


「えっと、はい。私もゆたか君って呼びますね」


 なんだ、この子。ちょー礼儀正しいじゃねえか。才色兼備とはこのことだな。

 最近じゃ挨拶もしてくれない若者が多いのにしっかりしてる。


 少なくとも、その子がペコリと行儀良く下げた頭を起こして、元気に俺を罵倒する段階に達するまでは、そう思っていた。

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