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水気のある空気を、日光が輝せる。
4つ打ちのバスドラムと、シンセの周波数の共音<ともね>に、水溜りが踊っている。
それなのに、目出し帽の奴らときたら、なんとノリの悪いことか。全く動かないんだ。
まぁ仕方ないか。
「よーし、決まったな」
この固形物(スピーカー内蔵)は、生物固有の電気信号とネットワークを繋いで、和音合成した周波数を体内で発生させる、それで体内の水分やら細胞を揺らして、対象を気絶させる。
一見遠回りに感じるが、身体にも精神にも負荷が少ない平和的な武器なんだ。
「全く、こいつらどこからのお客さんなんだ?」
おれは、そう言って、気絶した奴等の目出し帽を脱がした。
すると、なんともロシアな顔付きじゃないか。
「そうなるよなぁ…」
俺は一瞬で、この状況を受け入れたよ。
(長居は無用だ、早いとこ向かおう)
水捌けの悪い、資材置き場を足速に後にした。
片脚の探偵〜Wizard of One leg〜刻まれた三日月の境涯 満梛 平太老 @churyuho
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