第20話 陽仁の後悔
🏖🐠☀️暑い夏を通り越し
蝉の声も遠ざかる九月篤志は26歳の誕生日を迎えた。
テーブルには穂乃香の手づくり
ケーキがド━━━━ン
はしゃぎ回る志穂と一緒に俺も
はしゃぎ回る。
サイコ━━━‼‼‼ヨッシャァ!!
いよいよ穂乃香のお腹も貫録充分
ワクワクする。
臨月を迎えていたあの日の
志穂の時を思い出す。
「あの時は大変だったなぁ。」
それに親父達が帰る日
「勝手なお願いじゃけんど
兄貴の麻志達には、志穂は
篤志の実子だと言っておく
将来の為にはそれが良いだろ
志穂も未だ何も分からない
自分だけ血が違うと悩ませたくない!
回りには篤志の子だと言っておく
もう志穂はワシらの孫だ‼」
「勿論だよ父さん、ありがとう。」
それを聞いた穂乃香は
申し訳なさとありがたさで
泣いていた。
志穂の事を考えてくれていて
穂乃香は素直に嬉しかった。
二人はそう言って*⋆✈帰って
行った。
それから何日かして
「穂乃香」
いつ産まれても良いお腹を抱えた
穂乃香が振り向いた。
「久しぶり」
「陽仁?、(๑ ̄ᯅ ̄) ゲ~~~」
陽仁のあまりにも変わり果てた姿にビックリ
マル、マル、マルで陽仁が
絵に書けそうなくらいまるい!
顔はテカテカ脂ギッシュ
ズボンも上着もはち切れんばかりに
パンパン
自慢の切れ長の目も腫れぼったい
「その、子供は元気か?
俺の子・・確か志穂だったよな?
公園で別れたきりだな‼」
「もう合わない約束で慰謝料
養育費請求しなかったのよ
今更出て来ないで!」
「そっか‼そうだったな
悪かった、
・・・・・
もう一度やり直さないか?
お前と子供と暮らしたい。」
穂乃香は陽仁の姿を2度見しながら
イケメンでモテモテで
サッカー⚽部のエースの姿は
どこ行った?
と思いつつ陽仁に向かい
「私結婚するの」
と言った。
陽仁はモロに動揺しながら
「き、聞いてないぞ
相手は幾多か?」
「そう、彼は志穂が
産まれる日から
私を支えてくれてた!暖かい人よ、」
「違う‼
騙されるな!
新人3人を俺に近づけて
お前と俺を離婚させようと
画策した張本人だ‼」
はぁ⁉️
「もういい加減やめて‼
百歩譲ってそうだとしても
何もかもあんたの浮気が原因
なのよ‼」
「なぁ穂乃・・香?お前・・え!!
って、まさか?」
細身の穂乃香のワンピースを掴んだ
時ポッコリお腹が陽仁には見えた
普通に歩けば妊娠してるか分からない。
「まさか?」
「そうだよ。
もう臨月近いの‼️篤志の
子供が産まれるの‼
私達の家庭を壊さないでくれる?
たとえ陽仁が言うのが本当でも
篤志は志穂を可愛がって
くれてるし志穂もパパに懐いてる
何もしてくれないあなたが
私達にしてくれる唯一の事は
私達と会わない事だよ。」
「そんな・・・
嫌だ‼️
後悔してるんだ、もう二度と
浮気はしない!
約束する
だからやり直してくれ
志穂と3人で仲良く暮らそう!」
「は?3人?
お腹の子は?」
「幾多の子だろう、幾多に
育てさせればいいじゃないか‼」
「この子も志穂も私の子
何言ってんの?
篤志は父親があなたでも志穂を
大事にしてくれる❗
貴方に志穂を育てさせろなんて
絶対言わない暖かい人よ!
陽仁、自分勝手なトコ
変わらないねよね、
又私と暮らしても浮気三昧
何度繰り返しても同じ
今度は無理よ!」
「何でだよ!
俺は変わるよ
お前達がいれば変われる
もう離したく無い‼」
「`,、'`,、
無理よ!
前と同じセリフじゃん?
無理
だって私の夫は・・
この子達の父親は、篤志何だから
遅すぎたね。」
「ずっと高校の時から
俺たちは一緒に暮らして来た!
そんな時間さえすてるのか?」
「今からそんな時間を越える程
篤志を愛して行くから
ご心配なく‼
これ以上しっこいなら慰謝料
養育費請求するから‼」
エレベーターの陰で篤志は2人の
会話を聞いていた。
買い物帰り荷物と志穂を先に部屋
迄送って篤志は残りの荷物を取りに
来た所だった。
「じゃあサヨナラ」
スタスタと歩き出した穂乃香を
陽仁は、恨めしそうに眺めていた。
「穂乃香待て‼」
臨月の穂乃香の手を陽仁は握った
所で篤志が飛び出し
「先輩、やめて下さい!」
篤志が手を振り払った。
陽仁は篤志を見て
「裏切り者‼
お前を信じた俺が馬鹿だった!!」
そうなじった!
「あなたが先に佳奈と浮気して
身重の穂乃香を捨てましたよね
どこが裏切り者です?
あなたが先に裏切った、ホントの
裏切り者はアナタだ!!」
「・・・」
「穂乃香、志穂が1人だ
早く帰って‼」
篤志は声高く叫んだ。
「あ・・うん!!でも・・💦」
「志穂になんかあったらどうする
帰れ早く」
篤志に一喝されながら
穂乃香はオレンジ色のワンピースを
翻しエレベーターの中にそそくさと
入って行った。
2人は目を話さず睨み合ったままだ。
「お前、前から穂乃香狙ったろ?
あの若い子3人を俺の部署に
送り込んだのはお前だろ!」
陽仁は篤志を睨みながら言った。
「は?知りませんよ
誰の入れ知恵です?」
篤志もすぐ答える!
「お前がうちに遊びに来た時
穂乃香の事褒めていたよな!」
「当然です。
旦那想いで料理がうまくて
片付けもキチンとしていて
先輩が羨ましかったのは常に
言ってましたよね。
だから浮気に、はしりそうで
貴方に寄り付く女は全て排除して
来ました。
しかし奥さんが妊娠したと聞いても
貴方の浮気癖は止まらなかった。
余計加速して行ったじゃないですか💢💢」
「う💦」
「俺が知らないとおもいましたか?
酒🥃呑みの席でコツソリ女の子
お持ち帰りしていたのは
知ってましたよ。」
「酒の席の痴話話だ
本気にするな!
しかも遊びくらい穂乃香は
我慢してくれるさ
妊娠中の行為は穂乃香は嫌そう
だったし・・仕方無いだろ‼」
「執拗い彼女達を追い払ったのも
俺です、しかし陣痛の来た彼女を
ホッポリ出して佳奈と
ホテルにいたのは、流石に
頭に来ましたよ。
あなたが捨てるなら俺はよろこんで
うけとりますよ。
志穂の顔を見るまで決心出来な
かったけど、あんたの代わりに
穂乃香と志穂を大事にしょうと
決心しましたよ。
志穂も穂乃香も、もう俺の物だ
アンタの家族じゃ無い
分かったら、帰れ」
ワナワナと拳を震わす陽仁は
篤志に掴みかかったが
陽仁のまん丸く膨れた腹が邪魔をして
篤志がヒョイと避けた途端
足が絡んでズッコけた。
「少し痩せたがいいですよ
俺は穂乃香の飯を食ってるせいで
病気もしません。
皆に羨ましがられるほど
いい嫁ですよ!」
その一言で陽仁はぶっ倒れたまま
泣いていた。
「俺は毎回、忠告していました
それを聞かなかったのは
貴方の方です。
アンタが穂乃香をすてるなら
俺が貰っただけですよ
彼女はずっと僕の憧れでしたから」
篤志は振り向きながら
「あなたが変わらない限り
貴方の浮気は止まらない!
穂乃香と言う留め金が外され
てからはやり放題だったでしょ
あんなに気をつけろと釘を指した
佳奈に手を出して笑っちゃいますよ!シッカリして下さい‼」
篤志はそう言ってエレベーターに
消えて行った。
陽仁は捨て台詞を残した篤志を
許せ無かったが、もう帰ら無い
穂乃香との生活が悔やまれて
仕方が無かった。
陽仁は車に乗り込み宛もなく
車を走らせた。
仕事もやめて、家も引き払い
友人達とも連絡を経った。
今彼が何処にいるのかも分からない。
何日か経ち
篤志の口元が緩んだのは
穂乃香に纏わり付家庭を壊される
危機が回避されたからかもしれない。
もう俺達の前には現れるなと
釘を刺していたのに
諦められないなら初めから
浮気何かするんじゃねーよ!!
こんないい家庭を捨てるなんて
なんて馬鹿な野郎だ‼
一回後悔の淵に叩き落とされて
穂乃香からチャンスを
もらっていたじゃないか!
所詮、浮気虫は眠っていただけで
チャンスがあれば起きて来る。
そして
・・・・・モテなくなって
穂乃香に帰ってくる
以前と一緒じゃないか!!
アンタの言葉なんてもう誰も
信用なんかしないんだよ。
家庭を持つなら覚悟して
生きないと・・・
俺は穂乃香を離さない!
特にアンタには渡さない。
そうだよ、あの3人を入れるように
人事に根回ししたのは俺
しかし若い子達の意見を、仕事で
聞く為に必要だったんですよ!
あんな変な女が来るとは
計算違いでしたケド・・・
そんな女に引っかかるなんて
類は友を呼ぶんですかね‼
盛りの付いた猫同士、楽しかった
んじゃないですか?
もう昔の話ですね。
篤志は山の中を車を走らせながら
くふふと笑う。
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