第3話 新入社員

会社に着くと新人の三人が駆け寄り


「おはようございます課長~ぉ‼❤」

ミナミ、優里亜、佳奈の三人


「あ、ああ、おはよう。」

そしてそれを遮るように幾多が

割り込んで来る。


「ホラ、ホラ、仕事仕事

シッシ」


幾多の掛け声で

三人はチリヂリバラバラ


だけど振り返り手を 振る佳奈

フッ「可愛い」

と陽仁はニヤケながら呟いた。



佳奈との初デートの日

急な出張と言い訳して佳奈と

駅で落ち合う約束をしていた。



「課長━━━ぉ💞

車で最寄り駅迄御迎えに

行きマース何処ですか?」


「え?都内で待ち合わせて

近くの映画館じゃ駄目?」



「えーえ

それじゃあデート感0ですぅ

隣の県まで足伸ばしましょうよ‼」



「あ、ハハ分かった❌❌駅だよ‼」


「はああぁぁい。

了解で━━━━━すぅ❤」


この甘え感が半端ない

重ったらしい甘え声


穂乃香には無い頼られ感

たまらんワクワクワクワク

つい鼻歌まで出てしまう。



七分袖のニットのネイビーの

セーターに細身のパンツを合わせて

金のネックレスにシルバーの

ピアス

スタイリッシュなコーデはどう見てもデートじゃんか!!

これで仕事?有り得ん。

同じ部署の会合?

嘘つけ‼️

ラフな格好でお得意さんと仕事?

今まで一度も聞いた事が無い‼

穂乃香はしみじみと陽仁を見つめ

て溜息をついた。


頭のいい穂乃香が気付かない

訳もなく・・・軽くお見通し


.。oO遂に浮気虫が目を覚ましたか⤵


陽仁は久しぶりに香水をつけて

꜆꜄ ꜆꜄꜆シュッシュッシュ身支度終了。




「じゃあ行って来る。

なんかあったら連絡してな!」

玄関から穂乃香に声をかけた。


「穂乃香?」


「穂乃香?」


ドアを半分開けた所で気になり

部屋に帰ると穂乃香がかがみ

込んでいた。




「ん・・目眩がして

気持ちが悪いの‼」



「た、た、大変だ産婦人科、

産婦人科で、電話番号番号」

穂乃香の顔色が悪いのは見て分かる

陽仁は携帯をスクロールしながら

見つけた番号に


「スグ行きます

妻が辛そうなんです。」

そう早口で告げると穂乃香を

立ち上がらせた。

1人に出来るわけがない。

頭の隅で駅で待つ佳奈の事を考えて


「伯母さん呼ぼうか?

1人にしておけないよ。」


そう伯母が居れば安心して

佳奈と遊べる。

少し遅れると連絡すれば済む話だ。



「いいよ。

大丈夫だよ、陽仁デートでしょ

彼女待ってるんじゃない。

行って‼」




エ――――OдO――――ッ―!?

「な、な、何言ってんだよ!

なんの冗談サ

ほら病院行くぞ捕まって💦」



陽仁は車を出した

駅前を気にしつつ運転する。

すると赤い車の中に佳奈を見つけた。


佳奈も気が付いて陽仁を見ていた。

ヴヴヴ ヴヴヴ ヴヴヴ

携帯のバイブは鳴り止まない!


穂乃香も変に思ったはずだ。



「ちょっとした

貧血ですね。

今日はゆっくり休んでください。」



「こ、子供は

妻は大丈夫なんですね。」

陽仁はこの世の終わりのような

顔をして医者に詰め寄った。


👨🏻‍⚕️「はいご心配いりません!

妊婦さんにはよくある事ですよ。」



「あー良かったε-

陽仁はホッとしていた。」



「ねえ、彼女には連絡したの?

今からでも遅く無いんじゃない!」



「穂乃香、怒るぞ、彼女なんて

いない、そう言ってるだろ!

信じろよ‼」



「・・そんな言うなら市役所

寄ってくれない。」

真っ直ぐ前を向いて穂乃香は呟いた。


「なんで?」


シラ━━━━━━━━━━━━━‼



「え?なんでだよ?」

穂乃香は陽仁の方を向いて


「そんなに言うなら

離婚届にサインしてもらうし

親権は私、慰謝料請求はしない

代わりに子供には一生合わせない!

って一筆書いて貰う。


それを預けてくれたら信用する。


印鑑と拇印押してもらえば

効力があるらしいの!

そこまで覚悟して浮気してね」

ニコッと笑いながら俺をみる。


穂乃香がこの顔をする時は本気だ

:;((•﹏•๑)));:ブルブル



「そ・・・こまでヤル?」


「ねえ~陽仁私が貴方が何処に

行くか聞いた?」


陽仁はビビリながら首を振る


「私が行き先を聞かない時は

知ってるからよ。

今日は、隣町で映画でしょ(笑)」


「えっ、ええー怖いんだけど」


「勘で分かるのよ。

ってかスマホ見たし

あなたズ━━━━━━━━ッと

浮気して来たでしょ

だから、そろそろ浮気虫が

おきそうな・・カンよカン


そろそろ浮気虫が起きて来る

頃だって思うとアンテナ貼って

陽仁を見てるのよ!」



「俺を監視してるって事💢」

急にムカついた陽仁は車を

穂乃香の望む市役所に向けて走らせた。

日曜祭日でも開いていた。


ちょっとした脅しだ

俺が離婚届位でビビルと思うか💢

陽仁は少しシュンとした穂乃香を

ざまぁwwww

と内心思った。


家に着くと穂乃香の念願通り

陽仁は、これ見よがしに

サラサラサラと離婚届にサイン、

親権は譲るとサインした後

捺印拇印を押した。


これを書いた事で2人の間に

紙1枚のギクシャクした隙間が

出来た。


前なら目を瞑って知らん振りを

しただろう、しかし

子供を持って家庭を不安にするのは

やはり違うと思う、

浮気するクソなら

キッパリと離れ子供と2人の

人生が幸せに決まっている。


浮気ばかりする陽仁は子供の

教育上、良くない気がする。

こんな父親は、必要or不必要?

と真剣に考えてしまう。


次の日から陽仁は穂乃香の作る

愛妻弁当を拒否した。

軽い抵抗のつもりだった。


「穂乃香がリコンして、居なく

なったあと自分で食べなきゃ

だからな‼」

嫌味のひとつも言って家をでた。


その日から佳奈と陽仁は急接近

昼休みに一緒に食事に

出るようになった。


夜は帰りが遅くなり

朝は、穂乃香が起きる前に仕事

へと向かう。


穂乃香は買って来た産着を干しながら


「もうダメかなぁ

知らん振りして遊ばせてあげたら

良かったのかな?」


そう考えて謝ろうと決心して

陽仁の務める会社へとタクシー

で向かった。


会社近くのカフェでパフェを

食べながら陽仁にLINEする


「お昼一緒に食べよう

今会社近くのカフェにいます。」

送信

穂乃香は人差し指でピッ☝

11:00にカフェに着く。


携帯を見ながら時間を気にする

もう12:30だからお昼休みに

入っているはずなのに

まだ怒っているのか連絡は返って

来ない。


すると穂乃香のテーブルの後の

女の子の達の会話が聞こえて来た。


「佳奈今日も課長と

一緒みたい。」


「そうそうご飯行こうって

誘ったら課長を待ってるってサ

どう思う?」



「ああ、狙うにはいい頃よ

奥さん8ヶ月でしょ


ほらwネッあれよアレ」


「ああ、~〃ね

奥さんとはデキ無いからね

男はほらwww.

ニヤニヤ

じゃない?(笑)

今が佳奈のテクのみせどころよ

いやね━━━━━━━━

良くやるわ!」



キタキタキタキ━━━━━━タ‼


「あー残念休憩おわるワ」


そう残念がって女子社員は

陽仁と彼女と入れ替わるように

出て行った。


さっき座っていた彼女らの席に

陽仁と彼女が座って来て

背中合わせになった。

彼女と穂乃香の間には観葉植物が

二、三本並んでいて穂乃香が

いるとは2人は気づかない。



「課長なに食べます?」


「そうだなぁ佳奈は?」


「私は?ん~カルボナーラに

しょうかなぁ!」


どうやら2人揃って外回りのようだ

バックと資料を抱えて入店



「ん?じゃあ俺は肉食いてぇー」


「あ‼ずるいじゃあ

佳奈もステ━━━━キ」


仲のいい恋人の会話にも

聞こえてくる。


2人は食事を始めた、途中着信に

陽仁は気付き携帯を開くが

直ぐポケットに押し込んだ。




「ŧ‹”ŧ‹”課長ŧ‹”ŧ‹”今日ウチ来ませんか

お泊まりしてもいいですヨ」



「おいおい佳奈、俺は嫁がいるし

身重だし夜1人には出来ないんだ

なんかあったらどうする?」



「ヤダー課長

実家に返しちゃえば?

里帰り出産なんて皆してますよ。

お姉ちゃん4ヶ月もいたし

ゴロゴロ出来て奥さんも

気が楽じゃないですか?


そしたら佳奈が課長のお家に

行けるし☝」



「里帰り出産か‼

なるほどな!!

確かに安心だなぁ

確か伯父さんいたよな。」



ワイワイ楽しそうに穂乃香を

実家に返す作戦をねっているとしか

思えない会話を聞いて胸糞悪く

なった穂乃香は席を立っ。


そんな穂乃香のお腹に目がいった

佳奈は顔をあげて


「見てみて課長

あの人も、お腹大きい

何ヶ月だろう?」

佳奈は穂乃香の後ろ姿を指さして

お腹を、ぷくりとするジェスチャー

をした。



「アハハどの人?」

佳奈のお腹ぷっくりとする時の

顔もプーっと膨れたのを見て

つい笑ってしまった。


👉アッチアッチ

佳奈の指さす方向に目を向けると

穂乃香が((((;;OдO;lll))))歩いていた。


ガタン椅子をたった陽仁は

しばらく動け無かった。


我に返り

穂乃香を追ったがタクシーが

止まり穂乃香はそのまま乗って

帰って行った。


慌てて穂乃香に電話を掛けたが

穂乃香は陽仁を着拒していた。



置いてきぼりを食った佳奈は

ニヤニヤ

「なんだぁー奥さんか‼

まあいいや、課長が手に入ったら

私も未来の社長夫人かあ

やったぁ キャーーーッ♪」


あの日佳奈が休憩中聞いた話は・・・

すごく興味津々な話だった。


「ねえねえ佳奈知ってる?

御局様達が噂してたの聞い

ちゃった!」



「またワタシの悪口?

気にしないわよ!

慣れてるモ━━━ン。」



「まあ・・確かに

デモデモ、もっと凄い話し。」



「課長資産家の跡継ぎらしいよ」

((´(´・(´・_(´・_・(´・_・`(´・_・`)えっ


「マジ(▽ω▽)¥💰ギラッその

話ホント?」


「この会社も課長の伯父さんの

らしいし後々は課長を跡継ぎにって

話しよ

だから出世が早いんだって‼」


「今は修行ってカンジ?」


元々課長狙いだった佳奈はその話を

聞いて益々略奪する事に

燃え上がってしまった。


坂口陽仁を略奪する・・と‼

会社と資産がオマケで付いてくる

坂口陽仁は稀に見る優良物件


佳奈の頭の中で

チャリンチャリンチャリン

小銭の音が止まない!


Wow…💰💰💰

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