自動ドアの怪談
魚里蹴友
少女にかかる呪い
自動ドアがあった。これは人が通る時に開いて、暫くすると閉じる。当たり前である。
ある少女がそれに近づいていった。少女は先日四歳となったばかりであった。自動ドアのことを知らない珍しい子で、ドアが開いたことに驚いた。だがすぐに気にならなくなった。そしてそこを通過しようとした。
しかし、少女はドアが閉まらないことを不安に思った。勿論そこから離れないからなのだがそんなことは知らない。少女は開けたドアは閉めるように教わっていた。そして閉めようとドアに触れた瞬間、呪いがかかった。少女の姿は誰からも見えなくなった。その後少女は見つけられず、行方不明ということになった。
自動ドアは開き続けた。少女の体を感知し続けて。しかし、他の人々はそれを故障だと思った。業者が呼ばれて修理することとなった。少女はまだドアの所にいた。業者たちはドアの異常の確認に入った。その進行中、彼らの一人が見えない少女を蹴飛ばしてしまった。その彼は躓いたようになったがあまり気にしなかった。蹴られた少女は床に頭を強く打った。そして手当されないまま亡くなってしまった。
自動ドアに異常は発見されなかった。ドアは開閉するようになったが、その少し遠くに倒れる少女の亡骸は誰にも発見できなかった。
自動ドアの怪談 魚里蹴友 @swanK1729
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