2014年12月29日
その日のことははっきりと覚えている。
2014年になって、私は何度も口に出してきた。
祖母の家に行きたいと。我が家は毎年父の実家で年末を過ごしていたのだけれども、そうならないように私はその年に振舞っていた。
私の人生の中で最も恐ろしいものを見たのだ、その年の初めに。2014年の年末、父の実家に行く最中私達は事故に遭う。そして母が死んでしまう。
父と母の間にあったバランスだったのだと思うのだけれど、年末は父の家に帰る代わりに夏休みはいつも母の実家に帰省していた。だから母の実家に帰る時に私は祖父と祖母に何度もこっちで年を越したいと伝え、それは叶った。
その時に感じた安堵を覚えている。これで父の実家に向かう時に母が死ぬことはないとそう思ったのだ。
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