第2話

放課後。駅近くの可愛いカフェにて。

パフェを食べつつ、「さっき撮ったプリ滅茶苦茶盛れてない!?」とはしゃぐ親友。確かに滅茶苦茶盛れてる。「友達が有料会員入ってるから全部保存してもらわないと」なんて少し笑いながら言っちゃうくらい盛れてる。この会話は高校生になってから十数回は行われているけど、それでも全く飽きない。忘れないうちに友達にメール送っとこう…と思ってメールを開くと1件の通知が目に入った。

「ねぇ」

「どうしたの?」

「これってさ、どういうことだろ」

「何、見せて」


"久々に色々話したいから明日ちょっとどっかのタイミングで話さん?"

…最近あんまり話してない隣のクラスの、でも去年と一昨年は一緒のクラスで結構仲良く話してた男子からのメール。

「え、これ告白みたいなアレじゃないの???」

「いや、えぇ、どうなんだろう?」

親友のはしゃぎっぷりとは真逆な反応をしてしまう。だって本当にただ話すだけかもしれないでしょ?

「どう返信するの?というかもう私に貸して?返信するから」

「うーん、とりあえずこのパフェ食べながら考えるわ」

「あ…パフェのこと忘れてた、アイス溶けかけてるじゃん」

「やっば」

「そっちのメールの方がやばいもん」

もごもご何か言いながら、親友は何とかパフェを食べきる。

そして店を出た後に「いいけど、突然どうしたの?」と彼のメールに返事をした。


電車に乗っても例のメールの話題は続く。

「にしても羨ましい。告白?されちゃって」

「まだ決まった訳じゃないでしょ。もしかしたら明日呼び出されたところでナイフで滅多刺し!!なのかもしれないし」

「いやいや、ないって!絶対告白されるよ、この前読んだ漫画でもそうだったから!」

親友はこれは絶対告白だと考えているらしい。この世界は漫画みたいなこと起こらないでしょ、なんて心の中で突っ込んでしまう。

「あーあ、私も誰かから告白されてないかなぁ」

彼女がため息をつきながらメールを確認すると、私のように1件の通知。

「えっ!…ってチェーンメールじゃないの」

「チェーンメールから告白されたの」

「もう。からかわないでよ」

「ごめんごめん」

「電車降りそびれても知らないんだから!」

「ちゃんと降りる場所くらい知ってるって。じゃあね、今日はありがと」

「うん。あ、明日絶対写真撮ろうね!約束!」

「え?分かった」

…少しの疑問を持ちながら、私は電車を降りた。

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