記録 被災者A
え、AとBですか。
どこに行ったんでしょうかね。私にも分からないんです。
そんなこと言われましても……。
向こう側は向こう側としか。
あ……でも、穴、に見えましたね。
大きな穴がずっと奥に続いているように見えました。
奥で……ぐるぐる何が渦巻いているような気がしました。
人、のようにも見えましたし、なにか得体の知れないものにも見えました。
そうですね。私のようなものが見てはいけないようなものです。
そうです。AとBは歩いていったように見えました。
その後、ですか。
AとBのご両親が捜索願いを出されたそうなのですが、
見つかるわけないですよね。
ああ、刑事さんが私のところにも来ましたよ。
話したところで信じてもらえるはずもないので
肝試しに行ってはぐれましたと、言っておきました。
あのゴーマルヨンゴー室も特に異常は見当たらなかったそうです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます