第38話 2日目終了

 ダンジョン攻略、2日目、成果。

 10層到達。

 2人のレベルが3に上がった。


 以上。


『ねえカズマ。もう少し上の階まで行けたんじゃない?』


 まあ俺は単独でこのダンジョン制覇してるからな。

 なんなら最上階まで到達するのも造作ない。


 が、あえて10層で止めた。


『いや、しばらくは10層以下でレベリング作業に励む。本来急激なレベルアップは人体に悪影響を及ぼすんだ』

『悪影響?』

『ひどい場合だと、肉片になるとか』

『肉片……っ!?』


 レベルアップってのは言ってしまえば強靭な肉体に再構成するようなものだ。


『筋トレとか、スポーツ選手の練習でオーバーワークって単語があるだろ。人間が可能な範囲での人体強化でも選手生命が断たれることはあるんだ。まして人智を超えたシステムによるものであればなおさらだろ』

『正論過ぎてムカつく』

『なぜ』

『早く攻略したいの』


 いいつつ、ナターシャはPCに何かを打ち込んだ。

 多分レベルアップが人体に及ぼす悪影響についてのレポートのたたき台でも作ってるんだろう。


『ま、急いでも仕方ないことは分かったわ。それで、具体的にはいくつまで上げるつもりなの?』

『そうだな……、とりあえず7くらいか?』

『むう』


 スローペースだなとでも言いたげな表情のナターシャ。まあ実際スローペースだと思う。でも他の探索者が未だ5層以下で苦戦していることを考えれば悪くない攻略速度だ。

 彼女自身それをわかっているから強く出れないのかもしれない。


 最終的に、二人のレベルが5まで上がった段階で帰還することにした。


 しかしあれだな。

 普通の人がこの塔をクリアしようとすると何日もかけなければ登れないのではないだろうか。


 俺はアイテムボックスがあるから泊りがけでも大丈夫だけど、そうじゃない人は大変だろうな。

 そのうちポーターとかも出てくるのかも。


 ラノベを読んでるときはポーターって要る? って思ったこともあったけど、長期的に見れば必要な人員なんだなって改めて思うな。

 そりゃ追放なんてしたらパーティも崩壊するさ。

 必要以上に落ちぶれるのはよくわからないけど。



 で、そのあとは昨日と同じように神代語の語学学習。それが終わった後は各自解散となった。


 明日は久しぶりに一人だな。

 朝思いついたみたいに、ゲームのプロを目指してみるか!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る