カゾクガフエタネ

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 外界と途絶した辺境。

 

 そこは、旅の者もめったによりつかない地域だ。

 

 小さな村の中にある一軒家。明かりも通っていない。電気もない。

 

 そこでは、あたらしい家族が毎年のように産まれていた。


 登場人物。

 父。母。長女。(new)次女。おばあちゃん。近所の綺麗なお姉さん。お手伝いのお姉ちゃん。時々家に遊にくる近所の女の子。ペットのチロ。(new)チロの子供リロ。





 ほうら、ちーちゃん。

 よく見てごらん。

 この子がちーちゃんの妹だよ。


 家族が増えたねぇ。

 よかったねぇ。

 賑やかになるよ。




――一か月後

 ほうら、ちーちゃん。

 よく見てごらん。

 この子がチロの子供だよ。


 家族が増えたねぇ。

 よかったねぇ。

 面倒みなくちゃねぇ。




――半年後

 ほうらちーちゃん。

 よく見てごらん。

 近所がまた賑やかになるよ。


 家族が増えたねぇ。

 この狭い村の皆は、家族みたいなもんだから。

 困った時はお互い様しようねぇ。




――イチ年後

 ほうら、ちーちゃん。

 よく見てごらん。

 家の中が賑やかになるよ。

 カゾクがフエタねぇ。

 よかったねぇ。




――イチ年後

 ほうら、ちーちゃん。

 よく見てごらん。

 家の中が賑やかになるよ。

 カゾクガフエタネェ。

 ヨガッダネェ。




――イチ年後

 ほ ら、ち ちゃん。

 よく見て らん。

 家の が賑やかになるよ。

 カゾクガ エタネェ。

  ガッダネェ。




――イチ年後

 ほ  、ちー  ん。

 よ 見  らん。

 家 中が  かにな  。

 カゾ ガフエ ネェ。

  ガッダ ェ。




――イチ年後

 ほ

   見





――数十年後

「この村の人達はほとんどの人が病弱みたいですね。それに障がいを持っている人も多い」

「そのために我々医者が派遣されてきたんだろう。さ、仕事をするぞ」

「はい、それにしても。一体どうしてこんなに多くの人が?」


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カゾクガフエタネ 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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