探偵はもう、死んでいる。~異伝~「Dear her sister」

雨宮 隅

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君のぼやき

*第一巻の続きを、二次創作した物語になります。

 パラレルワールドとしてお楽しみください。




『お客様の中に、探偵の方はいらっしゃいませんか?』


 またかよ。

 つい、そう思ってしまったのは、どうか見逃してほしい。

 

 まさに熱の冷めやらぬ内に何とやら、というやつだ。

 こっちはやっとこさ命をけて、一つの大事件を解決したばかりだというのに。

 つくづく自分の巻き込まれ体質を呪う。


 俺にとっては聞き飽きたフレーズ。

 脳の中でリフレインし、きっと一生忘れられない。

 忘れることを許してくれないし、許して欲しいとも思わない。


 しかしまあ、こういう展開は予測していなかったよ。

 それとも俺の想像力が貧困なのか。


 まさか名探偵の「妹」と、顔を合わせることになるなんてな。


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