次元について ~Newtonに掲載されていた次元うさぎと檻との関係について~
昔、Newtonという雑誌の、次元についての特集の中に、誰でもわかりやすい、うさぎと
インターネットで探してみましたが、Newton以前の大元の出典事項が確認できなかったため、Newtonを参考文献としてあげてみたいと思います。
さて、ではまず1次元から。インターネットで探してみて、点、は0次元だという主張をされている方が多くて、あ、この、次元うさぎの考え方は違うのかな、と焦ってしまいました。しかし、ここでは次元うさぎを紹介したいので、『点、線は一次元』と定義して考察を進めていこうと思います。
インターネット上では、『線は点が集まって、座標軸一つを創るので、点は一次元である』という論調がありましたが、これは論に値しないと思います。なぜなら質量のない、点、は、いくつ集まったところで、線、になることなどあり得ないからです。
イメージとしては、点、と、点、が二つ集まったところで、二つが合体し、しかし二つとも質量を持たないため、二つの点が合わさったところで、また一つの点に戻るだけです。
線、も同じです、一次元上で、二つの線が重なり合ったところで、二次元上の、平面を持っていない、線、は平行に交わる以外に、交わる手立てを持っていません。そして、その二つの線は、二つあった線が一つに集約され、また一つの線として残るだけです。
この、二つの、点、と、線、は同じ性質を持っていると考えられます。なので、僕としては、点、を0次元ではなく、線と同じ性質を持つ1次元として解釈しようと考えます。
というか、元々高校数学で、『一次元は点と線』と習っていたので、0次元を考えることを、まず知りませんでした。座標空間上の話に限定すれば点というのは、座標空間上の、原点、というように線の上に存在するものだと思います。
ちょっと話がずれましたね。
とにかく『点と線は同じ、一次元空間に存在するものだ』という定義で話を進めていこうと思います。
そして、本題の次元うさぎと檻についての話に移ります。
これから先の話は、例えば、の話です。一次元にうさぎは存在し得ない、などと言った批判は避けてください。概念上の話と思って読んでいってください。
例えば、一次元上に、一次元内しか動けないうさぎがいたとします。
線上に一匹、点としてうさぎが存在しているところをイメージしてください。
そのうさぎに、檻を作って閉じ込めようと思います。その檻もまた、一次元上に存在する檻なので、点でできています。
直線上にうさぎがいて、それを閉じ込めるには、うさぎの、前と後ろ、二つに、檻と言う名の点を打てば、その直線上しか動けないうさぎは、檻によって閉じ込められている状態になります。
直線上を上下にあたふた動いているうさぎを想像してください。
しかし、ここで、うさぎを二次元に行動できる能力を与えてみたいと思います。二次元は言うまでもなく、平面、です。
今まで直線上しか動くことのできなかったうさぎは、直線から外へと動くことができるようになり、見事、一次元上の檻から脱出することが可能になります。二次元を知ったうさぎは、直線上に縛られることなく、直線から離れ、一次元上の檻の意味を無くすことに成功するのです。
では、これを、二次元上に次元をあげて考えてみたいと思います。
平面上に、四角く囲った、新しい檻、二次元檻を作ってみましょう。
二次元、すなわち、平面上でしか動けないうさぎにとって、これはまた檻になります。
しかし……、もうお気付きの方もいるかと思います。そのうさぎに三次元、すなわち立体的に行動できる能力を与えてみたいと思います。この二次元から三次元、すなわち立体的に行動させるために、たとえ話として、うさぎを使っているのだと思います。
さあ、お気づきの方もいるでしょう。その三次元の行動能力を備えたうさぎは、平面上にある四角い檻を、軽々とジャンプして檻から脱出することに成功します。
偶然かもしれませんが、うさぎと檻の関係は帰納的に、うさぎの次元が一つでも上がれば、次元の低い檻の中から脱出することができるようになっているのです。
では、三次元うさぎは三次元の檻に閉じ込められた際に、どのようにして、檻から脱出することができるようになるのでしょうか。
うさぎに四次元の力を与えてみましょう。
四次元とは何か? 色々な説がありますが、この次元うさぎと檻に関する思考実験の中では四次元は、時間、となります。
簡単なのです。三次元うさぎが三次元の檻の中から脱出するには、檻に入れられていない過去の時間まで戻るか、檻から出される未来の時間まで、うさぎの恣意的なタイミングで動くことができれば、すなわち四次元うさぎに変身すれば、三次元の檻から脱出することが可能になるのです。
先ほど、帰納的、という言葉を使いましたが、k(次元数)=4までしか考察できていないので、k=n、について正しいかはわかりません。
じゃあ、四次元うさぎを閉じ込める四次元檻はどうなるのか、ということになりますが、四次元檻はうさぎが生まれてから、死ぬまで、うさぎの一生涯を通して檻に入れることになります。
ここで問題になるのは実存(うさぎがうさぎであった時間)になります。先ほど四次元は時間だと申し上げましたが、うさぎが生まれる前に戻れるのか、そして、うさぎが死んだ後に未来に行けるのか、そこが問題になってきます。
実存概念、すなわち自分が周囲を認識し、意識できる状態の中の時間、と、実存が途絶えた後の時間の概念が同じなのか? という新たな問いが出てきます。本当に、自分が生まれる前から時間は存在し、ちゃんと流れていたのか? それとも自分が生まれた瞬間に、時間が初めて生まれたのか? 自分が認識して初めて時間が生まれたのか? は本当はわからないのです。
四次元は、時間、と定義しましたが、実存と絡めてみるとまた面白いかもしれません。五次元檻はどうなるのか。五次元うさぎはどうなるのか。
そもそも、四次元は、時間そのものなのか、それとも、実存的時間だけが四次元と定義することができるのか。それならば、五次元は実存的時間外の時間のことになるのか。
哲学的アプローチで次元について考えてみると、数学的アプローチから考える次元とは、また違った次元についての発見があるかと思います。皆さんも思考実験を楽しみながら、哲学ライフをエンジョイしていきましょう。
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