白石くんの妹ちゃんはお兄ちゃんのことが好きすぎるあまりヤンデレ化するそうです
黒猫(ながしょー)
第1話 プロローグ
「お兄ちゃ〜ん……」
学校が終わった放課後。
生徒がほとんどいなくなった校舎内。
窓から差し込む夕日が廊下全体を橙色に染め上げている中で俺、白石裕太(高校二年生、帰宅部)は全力で駆け抜けていた。
こんなところを生徒指導の先生に見つかってしまえば、即指導室へと連行されかねない。
だが、そんなことよりももっと“恐ろしい存在”が俺を捕まえようと追ってきていた。
「お兄ちゃ〜ん……なぜ逃げるんですかぁ〜?」
無意識にもゾッと背筋を舐められたような感覚が走る。
狂気に満ちた圧力が風の如く、容赦無く襲いかかっている。
尻目で後ろを確認してみれば、すぐそこまで“奴”が迫ってきていた。
「な、なぜって……愛香が追いかけてくるからだろおおおおおお!」
俺は情けなくも半泣き状態になりながらそう叫ぶ。
そうだ。俺は今、一つ下の妹に追いかけられている。
名前は白石愛香。見た目は金髪のツインテールで目は丸っぽく、少し幼い顔立ちをした美少女でありながら、運動、成績ともに最優秀と、才色兼備を欲しいがままにした自慢の妹……と、言い張りたいところだが、内面に少しばかり残念なところがある。それは重度のブラコン。
ただのブラコンなら、まだ生ぬるい方で愛香の場合はヤンデレ属性まで持っているという最悪な組み合わせだ。
よって、俺が逃げている理由も必然的にそれらが絡んできている。愛香は束縛気質もあるため、俺が他の女子と何気ない日常会話をしているだけでもヤンデレを発揮してくる。
今回もその類で俺を捕らえようしてきているわけだが、なぜか愛香の息は上がっていない。かれこれもう十分程度は校舎内を走り続けているというのに……。
「お兄ちゃんが立ち止まってくれたら私も追いかけませんからぁ〜……♡」
と、愛香は言っているが、俺もバカではない。立ち止まった時点で終わりということくらいこれまでの経験上学んできている。
――ここで捕まったら絶対に襲われる!
最近では学校の授業などで性の知識が芽生えてしまったのか、二人っきりの時は所構わずとして俺の貞操を奪おうと画策してくる。
初めてが妹だなんて嫌だし、やっぱり乙女ではないにせよ、初体験は好きな子としたい! だから、捕まるわけにはいかないんだ!
廊下の角を曲がったところで俺は階段を駆け降り、少し走ったところでまた階段を駆け上る。
死に物狂いで校舎内を走り続け、気がつけば特別棟へとやってきていた。ここには音楽室やら理科室、実験室などがあり、放課後にもなるとほとんど人通りはない。
ふと、後ろに視線を向けると、いつの間にか愛香の姿はなく、上手くまけたようだ。
ひとまず油断大敵。まだ近くにいるかもしれない。
俺はひと時の間、消耗した体力の回復も兼ねて、身を隠す思いで、すぐ近くにあった多目的室へと向かった。
【あとがき】
ヤンデレものはあまり書いたことないのですが、上手くできてますかね???
評判がよければ、長編ものにしようかなと考えてはいますけど……まぁ面白くできてないっすよね……。
ああ……小説書くのって難しい……。
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