秒殺怪談録 真実少年の覚書「変なイキモノ」２冊目

－５７－ 「放送事故」

　テレビを見ていると、有名な観光地の人混みが撮影されていた。

　人間の集団の中に、周りの人達より頭一つ、二つ背が高い、顔がドロドロに溶けた様な明らかに人間じゃない奴が混じっていた。

　お母さんはテレビを見ながら平然としてるけど、悠太は怯えた表情で僕と顔を見合わせた。

　その後、インターネットで、本物のお化けが映った放送事故として話題になっていた。

　動画がネットで拡散されたにも拘わらず、あのドロドロが見える人と、全く見えない人がいて、みんな不思議がっていた。