-50- 「ダイダラボッチ」

 ある日、地震の様な地響きを感じて目が覚めた。


 外を見ると、遠くで、とても大きな巨人が山を動かして動かしているのが見えた。


 これは、異界に迷い込んでしまったに違いない、と思って寝直した。


 次に目を覚ましてすぐに、僕は窓を開けて外の景色を確認した。


 遠くの山が一つ、僕の記憶と位置が変わっていた。


 山を動かすなんて、あんな無茶な事をしたら街が滅茶苦茶になっているんじゃないかと思った。


 けれど、ニュースでは何も言ってなかったし、地図を見ても山は今の位置で印刷されている。


 調べてみたら、ダイダラボッチと言う奴らしいけど、あれはもはや神様の類いだと思う。

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