-17- 「首なし」

 下校途中、道で通行人とすれ違う時、うっかり肩が相手の腕に当たってしまった。


 その拍子に、相手の人から何かがごろりと落ちた。


「あ、ごめんなさい」


 とっさに謝って、そして転げたものを急いで拾い上げた。


 それは、相手の人の首だった。


 でも、よく見たら作り物だ。


 相手の人は、首をなくしておろおろしていたので、僕は急いで首を相手に押し付けた。


 返してあげると、首の上に頭をのっけて、そしてスタスタ歩いて行った。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る