-11- 「小林商店」

 たまに見かける駄菓子屋さん。


 お婆さんが一人でやっていて、お店も、商品も、おばあさんも、一見普通に見える。


 でも、お店がある時と、ない時がある。


 お父さんにお店のことを話すと、


「お父さんが子どものころも、よく駄菓子屋さんに行ったなあ」


と、懐かしそうに言った。


「何て言う名前だったか、確か小林何とか言う名前だったな。いつの間にか知らないうちに、お店がなくなっていたけど」と言った。


 僕は「そのお店は今でも時々やってるよ」と教えようか迷ったけど、説明が難しかったから言わなかった。

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