恋の音が聞こえたあの日から僕は君に恋をした
さくら ゆい
プロローグ
季節は夏になって、高校は夏休みに入った。
俺は家でテレビを見たり、勉強をして時間を過ごしていた。
そんな俺の名前は石井 和樹。
高校一年生だ。
夕方、テレビではお祭りの映像が放送されていた。
そのお祭りの映像を見ていると、チャイムが鳴った。
良い所だったのになと思いつつ、俺は扉を開ける。
扉を開けるとそこには親友の鈴木
「何か用なのか?」
「お前、今日が何だか忘れているだろ?」
突然そう言われても何が何だか分かんない。
別に誰の誕生日でも無いし、国の記念日でもなんでもないのだ。
「さあ、俺には分からないぞ…?」
「今日は下志津駐屯地の夏祭りだよ!」
そう言われて思い出した。
そういえば毎年、この頃に祭りがあるんだっけな。
俺とした事が忘れてたわ。
「マジか、忘れてた申し訳ない。 今準備してくるから家の中入ってろ」
俺は雫玖にそう言って、部屋に行った。
弟の悠はそんな事言ってなかったのにな。
まあ、良いか。
それより早く着替えなければ雫玖に怒られる。
そして、俺は甚平に着替えて下に降りた
「じゃあ、行くぞ」
「そうだな」
俺らは歩きながら下志津駐屯地まで向かった。
夕方だからか、ヒグラシが切なく鳴いている。
夏の夕方にはヒグラシが似合っている。
中に入って俺らはすることも無いので歩いていた。
誰かに会えれば俺らはそれで良かったからだ。
高校に入ってから中学時代の同級生とは疎遠になった。
そもそも高校は千葉市では無いし、高校を千葉市にしなかったのは
何故かというと同級生とは離れたかったからだ。
もちろん離れたくなかった人もいるが、離れたい人の方が多かった。
「あれ、石井君?」
俺は突然、女の子に声をかけられた。
優しい声で俺に話しかけるこの女の子を俺は思い出した。
この女の子の名前は千葉 瑞穂さん。
俺が中学1年生から3年生まで同じクラスだった女の子だ。
性格が優しく、誰にでも良くしてくれる良い子だ。
「お久しぶりだね、千葉さん」
俺は緊張しながらも千葉さんにそう挨拶を返した。
「カッコイイね、石井君」
そう言われた瞬間にどこかから恋の音が聞こえた。
その瞬間に俺は恋に落ちた。
これが俺の恋の始まりだ。
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