アメの診療所

中筒ユリナ

第1話 アメドクター、登場!

「連れてきなさいよ!救けれるの私しかいないでしょ!」




ここは、とあるお屋敷。ご霊界での、とある、神社に通ずる社である。


この社の一室にて、一人の女神でる姫が伏せっている。名はセリ。


闇に落ちかけ、本来の自分を失い欠けていた。


日頃からの不安や、心配事など、精神のバランスを崩し、そこに闇の者に付け入れられたのである。伏せってから、随分となり、周りの神々は、頭を抱えていた。どうしても、姫を救けられずにいたからである。



くらま「セリ。。。大丈夫か?」


くらま。セリの友人であり、神の端くれではあるが、心優しい神である。


アンティ「セリは大丈夫よ。きっと良くなるわ。。。」


セリと同じく女神のアンティも心配している。


ロジャ「どうだ?」

アンティの夫てある、ロジャ。彼が採算に渡り、セリに付き、闇に落ちそうになる度にセリを光へと引っ張り上げてきた。しかし、立派な女神となる為にもセリ自身が闇に気が付き、回避できるようにならなければ、ならないのである。


ロジャ「気づけるだけでも、いいんだかな。。。」



「ちょっと、私の事、忘れてない?」


上からアメの声がした。アメはかなり、位の高い女神である。


くらま「なんだよ、アメ。何かできるのか?」


アメ「できるわよ!あなたなら、知ってるでしょ!、、義!」


義「なんだ?何かあったか?。。。」


アメ「な、なに、忘れたわけ?」


アメが、キッ!となり、怒るのも無理はない。何しろ、義はアメの元夫。最近、婚姻を解き、別れたばかりなのだ。人間で言う、言わば離婚である。


なぜ離婚したかは、さて置き、別れた後でも、関わりは続いていた。


義は記憶を探り、アメの言う事を、探した。


義「あ、そうだな。お前なら、、できるな。。。」


アメ「なんなの!やっと思い出したわけ?、、、まったく!」


くらま「なんとか、なりそうなのか?、、、ならば、陸に良き報告ができそうだな。」


陸は、セリの夫である。今は主張にて、留守なのだ。だが、彼とは仲間内で交信がとれ、妻の様子を知ることができるのである。


アメ「つべこべ言わす、早く連れて上がりなさいよ!」


義「何処へだ?」

アメ「な、何言ってんのよ!ここに決まっているでしょ!」


アメの言うこことは、今我々がいる一つ上の階層の事である。


ここ、ご霊界とは、いろいろな階層になっており、普通の人間達がいる階層の他、地獄と呼ばれる所や、上に行けば、神や仏様のいる所、それよりも上があり、アメは、女神としての位も、高く、アメの父はかなりの上級な神な為、高い階層にアメもいるのだ。


また、元夫の義もアメと同じく上の階層に居たが、今は一つ下の階層にて、仕事をしている。


義は、部屋にて横になっているセリを上のアメの所に連れて上がるよう、ロジャに頼んだ。


ロジャと、アンティはセリを連れて上がると、すかさずアメが義に言い放つ。


アメ「ちょっと、義!何もたもたしてんのよ!」

義「なんだ?」

アメ「何だじゃないわよ!あなたもよ!手伝いなさいよ、助手よ!」


義「な、なんだ?助手?、、か?」

アメに言われ、しぶしぶ上がる義である。


アメ「アンティも手伝ってちょうだい。」


アンティ「わかったわ」


そこは、沢山の岩に囲まれた場所で、中央には、平らな大きな岩があり、その上にセリは寝かされていた。そして、セリを取り囲むように、アメの父の下で働く者達が数人おり、その中にアンティは座る。


また、少し離れた所より、アメの父。その他、1番偉い神と、その側近の神々が鎮座していた。


アメが、セリの頭部のそばに立ち、セリの足元に義は座り、静かに目を閉じる。


アメ「さぁ、始めるわよ!」


そう、言うとアメは、セリの寝かされている岩ごと結界を張る。薄い水色の膜のような結界だ。その結界をより強く、頑丈にする為に、義はシルバーの鎖状の結界を重ねるように貼っていく。こうして出来上がると、本格的に始まるのである。


アメと言うドクターの治療が。。。


アメは両手を広げ身体全体のエネルギーを広げた両手の中に集め、それをセリに送り入れていく。少しずつ、少しずつ。。。



セリは時折苦しそうに唸り、もがく。


アメの送るエネルギーは、普通のエネルギーではない。魔物を炙り出す、いわば、殺虫剤のようなもので、セリの内側にいた沢山の魔物達が次々と外へ出てきているのである。


しかし、結界からは出られず、右往左往して、もうろうとしているところへ、アンティーや取り巻きの神々が、その魔物を消滅させていく。


こうして、セリの内側にいた闇の魔物はほとんど出ていった。只、これ以上はセリに負担がかかる為、一度、休ませ、また再開させる。


何度か繰り返し、行う事でやっと、全て追い出す事ができた。


セリは楽な表情で、眠っている。


アメ「とりあえずは、大丈夫ね。後は、セリのこれからの取組みにかかとっているわね。」


セリはそのまま、暫く寝かされアメの元にて、療養にはいるのであった。


アメの元から、戻った義は、セリの回復を願うのだった。。。


義「陸、セリは大丈夫だ。今は眠っていてる。目覚めればまた、私を通し、話もできよう。」


陸「義様ありがとうございます。アメ様を始めとする皆様にも感謝致します。」


義はセリの夫の陸にしらせた。


義(ひとまずは、様子見だな。。。)


これからの事を考え表情が硬くなる義なのだった。。。



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