喰字鬼

糸井翼

プロローグ

地元の図書館に来たのは何年ぶりだろうか。中学生の頃は文芸サークルの仲間とこの図書館で集まっていたことは何度もあった。あいつらとはすっかり疎遠になってしまった。あのとき、将来の夢は作家だとか、ネット小説で人気になる、とか言っていたやつらは、今、何をしているのだろうか。三流雑誌の記者となって、この図書館に戻ってきた俺を見たら、どんな顔をするんだろうか。

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