女子高生のんびりサバイバル日記
@mamehon
第1話
4月8日
晴れ。
お母さんと、はるとと私以外がいなくなってからちょうど10日目。
はやい。
もう10日か。
車の中から、中学の横を通った時散り始めた桜を見た。
今日から日記を始める。
お母さんに言われて。
めんどくさいと思うけど、絶対勝手に見ないって誓ったし、理由を聞いて納得もしたから書くことにする。
それに、学校もないからすることもないし。
いつどこで誰が何をどうしたを書くように言われたから、まず今日のこと。
家に食べるものが無くなった。
水はまだ少しあったけど。
昨日は1日そうめんだけだった。
かろうじて、庭で育てていたネギがのっていたけど。
限界だった。
私もだけど、はるとが。
どうしてもチョコが食べたいって。
車でコンビニに行った。
南町のコンビニ。
お母さんとはるとと。
はるとは車で待たせて、二人でコンビニに入った。
おこずかいがすぐなくなるから普段あまりコンビニは行かないから、ちょっとうきうきしてた。
ドア押して入ると店の中は静かだった。
もちろん、ひとっこひとりいなかった。
ひとっこひとりって変な言葉。
鳥の声とうちの車のエンジン音がしていた外より静かだった。
人がいなくなって、一番感じるのは音がないってこと。
テレビも動画もだめだから、どこにいても静か。
自分が動くと音がする感じ。
だいぶん慣れたけど。
不意に音がするとドキッとする。
外では風の音か鳥の声。
家の中も静かで、お母さんやはるとがどこにいるか音でわかるくらい。
去年、冷蔵庫が壊れた時も新しいのが来るまでの丸一日すごく静かに感じたけど。
今回はもっと。
持ってきたエコバッグにいる物を入れた。
板チョコ二枚
おせんべい一袋
クッキー一箱
ポテチ二袋
カップゼリー三つ
500mlのコーラ、お茶、水3本ずつ。
水の2Lペットボトル2本
スポドリ1L
2キロの無洗米
カップ麺9個
ビール1缶
賞味期限切れていたけど食パン一袋。
パンに塗るもの。
さきいかとおつまみのチーズ
パックの野菜ジュース9個
パンツ二枚
たまごと牛乳も欲しかったけど、常温で1週間以上置いてあったものはやめようとお母さんと相談した。
持って帰るもの、これでよかったのかな。
なんか、もっとあるんじゃないかなと思う。
何とはいえないけど。
お母さんが、レジのカウンターに3000円置いてきた。
だから、一応泥棒にはならないのかな。
わからない。
微妙。
そもそも3000円じゃ足りないって。
パンツだけで1500円するのに。
まあ、やらないよりいいのかな。
忘れてた。
このノートもポールペンもコンビニから。
お母さんがいつのまにか持ってた。
私のが赤、はるとのが青、お母さんのが緑。
電気切れてるから、冷蔵庫棚のサラダがぐちゃぐちゃになって汁が出てた。
コンビニの後、高校の校門前まで行って、私服だけど写真だけ撮った。
残り少ないスマホの充電使ってしまった。
ここも桜が咲いていた。
中学の方が木が大きかった。
仕方ないね、新築の校舎だから。
ちょっと散り始めてた。。
今日、ほんとなら高校の入学式だった。
この学校の、私は一期生のはずだったのに。
私たぶん、今日から高校生。
たぶん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます