ケモナーの大会後!
「すぅ……すぅ……」
ASOの第一回月例大会が終わった翌週、
「
寝ている
「すぅ……すぅ……」
恐らく夢の世界で気持ちよくモフモフしているであろう
「かすみ! かすみっ! 起きて!!」
それを見かねた
「んぅ……ん?
「ちょっ! 起きて!」
「ん……何?」
今度こそ目を覚ます。
「気持ちよさそうでしたね? よく眠れましたか?
目を覚ました
「……おはようございます」
みんなの前で注意されたのが恥ずかしくなり、はにかみながら先生に挨拶をする。
「はいおはようございます」
そう言って先生は黒板に何かを書き出す。
「この問題を解いてみなさい。今日の履修範囲です、勿論ちゃんと授業を聞いていれば解けますよね?」
「−11/14です」
「せ、正解……! ……ちゃんと授業は聞くように。それじゃあ授業に戻ります」
即答された先生は少し悔しそうな顔をしながら授業に戻る。
「
「ん? まあ普通に予習してるからね、それよりそんな早くから寝てた……? ていうか寝てたの気づいてたなら起こしてよ!」
「うん、私起こしたよ!? 体揺すっても声かけても起きなかったのはどっちよ……」
「え? うっそだ! 絶対起こしてない!」
「そこ二人うるさいですよ!」
今度は二人で同時に注意されてしまった。
「「すみません……」」
◆
「あれ? フロスどうしたの?」
学校が終わり、家に戻ってからアリスがASOにログインすると、どんよりとした空気を纏っているフロスを見かけた。
「うぅ……ありしゅぅ……」
アリスの声を聞いたフロスは目に涙を浮かべ、アリスの方を向く。
「本当にどうしたの!?」
ただごとではない様相にアリスもびっくりする。
「うう……スキルが……モフモフがぁ……見てよこれ……」
そう言ってフロスは自分のステータス画面に表示されたお知らせをアリスに見せる。
「ん? なにこれ……え? いや……そんなのいやよ……!」
そこに並んでいた文字を見た途端、アリスまでもが膝をついて落ち込んでしまった。
「やっ! 二人とも昨日ぶり! ……ってどうしたの?」
二人が落ち込んでいると今度はそこにリーフが来る。
「「もうだめ……もう終わりよ……」」
「なにその世界が終わる5分前みたいな表情は……」
絶望しているフロスとアリスを見てリーフはついつい苦笑いする。
「……これみて……」
フロスはリーフにも先程アリスに見せたものを見せる。
「んー? あ、スキルの修正来てたんだね……んーと? 1匹ずつしか召喚できない? なにこれ?」
事情をよく知らないリーフはフロスに尋ねる。
「リーフの技防いだもふもふ達いたでしょ? あの子達……今までは同時に出せたのになんか一モフずつしかしか出せなくなっちゃったの……」
「なにその単位!? というかなんでそんなに落ち込んでるの? 1匹ずつでも結構強くない? というかアリスがそうなってるのがもっと分かんないんだけど?」
「バスクちゃんが……バスクちゃんが……」
アリスは壊れたペッ○ー君のように同じ言葉をひたすら連呼していた。
「実は私たちね……」
フロスは自分たちがこうまで落ち込んでいる理由をリーフにも伝える。
「ああ……それで……まあなんていうかどんまい……」
「うぅ……この先どうしたら……」
「あの……もしよかったらだけど……私のこと撫でてもいいよ?」
そう言ってリーフは一つの装備を取り出し、頭につける。するとあっという間にファンタジーな世界で出てきそうな可愛らしい獣人へと姿を変えた。
「……モフモフだぁ!! なにその装備!?」
「ふふん! いいでしょ! クエストの報酬なんだ! 一緒に行く?」
リーフは自慢げに自分の耳を撫で、フロスにも取る場所を教えようとする。
「うん! 行くう!!」
その言葉を聞いて、一瞬のうちにフロスの表情が明るいものへと変わった。
「その装備取ってアリスに被せるんだ! アリス行くよ! リーフ、一緒に行こ!」
「バスクちゃんが……バスクちゃんが……」
元気になったフロスは未だに壊れているアリスを持ち上げ、リーフに道案内を頼む。
「まっかせて! それより……アリス一緒に持とうか?」
二人で撃沈しているアリスを抱えてクエストがあると言うところまで歩いて行った。
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