指揮官の矜恃(仮)

響鬼 霊子

第零話 黒き悪魔



今日も戦場では銃弾や大砲や人の血肉片が飛び交う

人が死ぬのは当たり前な戦場で剣を持ち駆け巡る戦士たちがいた

素早いスピードに魔法の剣を持って駆けずり回る彼らに凡人たちは勝つことなどできない

まともに戦えるのは同じ魔道兵のみ



――この世界は高度魔法と現代技術をもつ世界だ――










なぜ、俺の国がここまで追い詰められているんだ?

俺は命令通りしてきた。なのに全ての作戦は上手くいかない。まるで敵に踊らされているかの様だ

おかしい。策略は上手くいっている!

帝国は俺たちに何をした?一体何を!!?

前を向くと味方が次々と死んでいく

オペレーターも焦っている


『こちらCO2two。全体損害6割。このままだと全滅します!!』

「くっ!!撤退だ。撤退しろ」

『こちらオペレーターA。撤退せよ』

『了解しました』

『っ!?!??黒い軍服………グリムリィーパーだと……?』

すると悲鳴とともに音声は切れた

恐らくグリムリィーパーに殺られたのだろう



グリムリィーパーは帝国軍一と言っていいほどの精鋭部隊。最初は無能部隊と言われていたがとある指揮官の登場によって化け物じみた強さを持つ部隊へと進化を遂げた

その指揮官はこう言われている死の悪魔death


「…………撤退だ。我々も撤退するぞ!」

「ですが……」

「ここにいたら間違いなく死ぬ。なら逃げるのが先決だ」

「了解しました……っ!?!?」

「……なっ!!??!」



1人の漆黒の髪に紺碧の瞳の吸血鬼がたっていた。手には血に塗られた赤と黒のコントラストが美しい剣を持っていた



「……なぜ?……何故だ?なぜここにDeathがいる……!!?」

「何も指揮官が戦わないなんて言う規則はないでしょう?それにこの程度なら私でも殺せますからね」


Deathはそういって微笑んだ。嘲笑ではない単純に憐れんでる笑顔だ。こいつらは捕食者。彼らに出会ったら我々は死ぬしかない



作戦通信室は10人の血によって血の海に染まった

彼女は拝んだ

それは死の悪魔ではなく死の天使の様な優しい顔で……


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る