第5話 生

やはり、人間は偉大ではない

病に勝てないのだ

いくら進歩しているとはいえ、勝てないのだ


おれは、この時代に生きている

そして、この詩は、だれかに、たしかに、読まれている

わからないのか、表現の深大さを。


文字がデジタルにされ、読みやすくなった

だが、手書きのもつ温かさがなくなった

ヒトが書いたんだという実感がなくなった


不特定多数に読まれて、評価され、また淘汰される諸行無常。

ひょうげんしゃは、ひょうげんしゃ。

楽観することなかれ。

禍福の渦にいることを。

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