二十四時間営業

 コンビニだって元は二十四時間営業じゃなかったらしいですよ。

 それが時代の流れで二十四時間営業を開始することになり、そしてまた時代の流れで全部が全部ってわけでもないですけど二十四時間営業が終了しようとしてるんですから、なんだか面白いですよね。

 近所のコンビニ……あれ、オーナーなんですかね?深夜……僕は夜中の二時頃に行くのが一番多いんですけど、そんぐらいに行くといつも同じ人が毎日一人でいて、レジ打ちとか品出しとかしてたんです。

 顔色悪くて、体型もちょっとおかしい感じで、無理に作った笑顔が見てて痛々しいぐらいでしたよ。

 僕、仕事の関係で昼夜逆転の生活をしてるんで深夜しかコンビニに行かないんですけど、まぁちょっと早起きして夕方にそのコンビニに行ったんですよね。

 開いてる時間帯ならスーパーの方が色々あるしお得とはわかってるんですけど、やっぱ癖って抜けないですからね。

 そしたらそのコンビニの入口のあたりに貼り紙が貼ってあって。


――

営業時間変更のお知らせ


いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます

誠に勝手ではございますが

当店の営業時間を四月から下記の通りに変更させていただきます


月曜日~土曜日 7:00~23:00

――


 今、八月じゃないですか。

 もう四ヶ月も開いているはずのない時間帯に店が開いていて、僕はその店に行ってるってことになりますよね。

 あの店員が一人だけいる店に。

 でも、張り紙の一番下にあった文章が一番厭でしたよ。


――

日曜日 二十四時間営業

――


 日曜日って普通に営業してるはずじゃないですか。

 でも、僕あの店員以外見たこと無いんですよ。


 謎は解けないまま、今日も深夜になると近所のコンビニに向かいます。

 しょうがないですよ。

 このあたり、夜中に開いてる店がそこしかないんですから。


 ……いやいや、アナタだってそうしてるじゃないですか。

 だって、あんなコンビニ使ってるんでしょ?


 気づいてないんですか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る