第14話 不思議な調和

「ソウちゃん、イイ猪肉がはいったぞい」

爺さんの友達の猟師さんだった。

ささっと猪鍋の準備を済ませると、3人で鍋を囲み宴が始まった。


恋バナをしたり、マイウェイや木遣くずしを歌ったり、、

心から暖まる空間。

3人はずっと笑っていた。 


爺さんはアルバムを見せてくれた。

写真を見ながらいろんな話を聞かせてくれる。

神崎川というところでジーンズ屋をしていた事。

娘さんの話。

先立たれた奥さんの話。

笑い、時にまじめな話もした。


僕の事もいろいろ聞いてくれた。

未来や今の現状の話、

過去の事はいっさいきかれなかった。


1枚の写真にめがとまる。

白人の女性と腕を組む爺さん。


「愛人じゃよ」

爺さんが笑う。


このすけべしじい!、心の声をおしころした。


爺さんが言う。

「中々のジャングルじゃろ?」


またでたジャングルというワードに意味が分からず写真を見つめる。


ブロンドヘアにブルーアイの綺麗な女性は牡丹柄の浴衣を粋に着こなしていたが足元にはハイカットのスニーカー。

それがなんとも調和し、とてもカッコよかった。


爺さんが言う(ジャングル)がほんの少しわかった瞬間だった。

僕は思わず爺さんに言った。


「ジャングルですね!」


爺さんはニコッと笑った。

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